2026年05月02日(土)

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[春の叙勲]保健衛生や産業振興、消防 3市から8人に栄誉

 春の叙勲の受章者が4月29日に発表された。全国で4034人、山口県内では72人。周南地域は周南市が5人、光市関係が2人、下松市が1人の計8人だった。

 そのうち旭日小綬章が3人で、県医師会長の河村康明さん(72)=光市=▽元県酒造組合会長の原田茂さん(83)=周南市=▽光商工会議所会頭の藤井勝さん(83)=光市。旭日双光章は元周南市議の長谷川和美さん(76)=周南市=が受章する。

 瑞宝双光章は、障害者支援施設「城南学園第三更生部」生活支援員の常冨淳子さん(62)=周南市=▽元光市教育長の能美龍文さん(74)=防府市=、瑞宝単光章は元周南市消防団分団長の古城隆夫さん(66)=周南市=▽元下松市消防分団長の中原要さん(66)=下松市▽元日本郵政公社職員の松原啓治さん(64)=周南市=が受章する。

 総務省、消防庁関係と厚生労働省、国土交通省関係の双光章以下の受章者には9日(月)に県庁で叙勲が伝達される。

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旭日小綬章
「地域に必要とされる医療、福祉に」

県医師会長

河村 康明さん(72)

(光市三井)

 医師になって44年。東邦大大森病院や米ハーバード大のマサチューセッツ総合病院で先進医療を学び、帰郷して31年間、医療と高齢者福祉の充実に尽くした。受章に「これからも地域に必要とされる医療と福祉に取り組みたい」と意気込む。

 父も医師で、付属光小、付属光中、広島修道高、東邦大医学部卒。マサチューセッツ総合病院では「何ごともコツコツ取り組む」という“院訓〟に心を動かされ、以後の自身の指針になったという。

 父が経営していた河村医院を1990年に継いだ。当時はまだ珍しかった居宅介護事業所やデイサービスセンター、グループホームを開設し、スタッフの資格取得も支援して運営を軌道に乗せた。

 そんな姿勢から市医師会長に推され、地域医療連携の推進や医療水準の向上に尽くした。

 さらに2016年からは県医師会長を務めており、県全体の地域医療の充実と向上のほか、新型コロナウイルス感染症に伴うワクチン接種の加速化に取り組み「医師の先生方のご理解がいただけて県の接種率は全国トップになった」と喜ぶ。

 院長を務める光市三井の河村循環器神経内科は、室内の壁をすべて障子で統一し「優しく温かい雰囲気にこだわっている。破れやすいのが難点ですが」と苦笑する。

 趣味は畑仕事で、ビニールハウスでメロンを栽培するほどの本格派。妻の裕子さんも医師で、下松市の周南記念病院の副院長を務めている。

(山上達也)

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旭日小綬章

山口県の酒蔵の活性化に尽力

元県酒造組合会長、はつもみぢ相談役

原田 茂さん(83)

(周南市飯島町)

 ㈱はつもみぢは1819年(文政2年)創業の200年を超える歴史のある酒蔵。原田さんは広島大学工学部醸造工学科を卒業して京都の宝酒造に入社。宝酒造のビール部門の強化に努めたが後発のサントリービールも含めたビール5社のビール戦争の波には乗れず、入社5年後に宝酒造はビール事業からの撤退を決定。帰郷して初紅葉酒造に入った。

 2001年に兄の原田耕作さんから社長を引き継いだが、それまでビール業界の競い合いから学べたことが山口県の日本酒の発展につながっていく。

 2008年から2016年までの8年間、県酒造組合(24社)の会長を務めた。酒蔵が激減していた時期だったが、県内の10酒造組合を一つにまとめることと、生き残った酒蔵の個性を育てることに注力。酒蔵から選手を募り、中国地方の唎(き)き酒大会に出場して好成績を上げるとともに酒蔵間のきずなを強め、勉強会も重ねた。

 杜氏を兼ねる若手経営者が育ち、東京などで日本酒をPRする「やまぐち地酒維新」を開催するなどブランド化を進め、輸出に取り組む酒蔵も増えた。これに伴って全国で日本酒の生産量が減少する中で、コロナ禍前まで生産量、出荷量が増え続けた成功事例として高く評価され、全国に知られる銘酒も次々に出てきている。「山口県の酒造りが立派になったことがうれしい」と話す。

 自社でも一時、途絶えていた酒造りを、2005年に当時専務で、唎き酒で好成績をあげていた原田康宏現社長を中心に小型の四季醸造蔵に変身、山口県産の山田錦や鹿野地区の伏流水で再開し、銘酒「原田」として販売している。社名は周南市誕生に合わせて2003年に初紅葉酒造㈱から「㈱はつもみぢ」に改めた。

 県食品衛生協会、太平洋戦争中の特攻兵器「回天」で散った若者の追悼式を開く回天顕彰会や徳山ユネスコ協会、徳山郷土史研究会の会長、県ソフトテニス連盟の顧問も引き受けている。

(延安弘行)

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旭日小綬章

「地域発展、次世代へ継承」

光商工会議所会頭

藤井 勝さん(83)

(光市岩狩)

 光商工会議所の会頭に就任して15年目。新型コロナウイルス感染症の影響を受けた経済の浮揚が大きな課題だが「この受章を契機に一層、地元経済の発展と明るい見通しづくりに努めたい。次世代への継承も大切な課題だ」と自らを鞭打つ。

 父の故軒逸(けんいつ)さんが戦後に創業した冨士高圧フレキシブルホースの3代目社長を1995年から13年間務めた。その間に光商工会議所会頭や光・熊毛郡法人会長も引き受け、地元財界の指導的役割を担った。

 冨士高圧フレキシブルホースは工場や産業建設用機械に張りめぐらされているホース、パイプ、継手などの油圧配管器具を製造し、商圏は世界に及ぶ。従業員の福利厚生の向上を図りながら業績も伸ばし、そうした姿勢が地元財界から慕われる人望の高さになった。

 会頭には2007年に就任。11年のシルトロニック・ジャパンの突然の閉鎖では、従業員513人の再雇用支援に奔走。プレミアム付き商品券の発行は市や大和商工会とタイアップして取り組み、地域浮揚につなげた。

 地域活動にも熱心に取り組み、刑を終えて出所した人の再雇用を促進するNPO県就労支援事業者機構や、母校の下松工高の同窓会「下松工業会」の役員を務め、とくに下松工高では昨年度の創立100周年記念事業の実行委員長を務めた。

 「会頭の15年はあっという間だった。これからもふるさとの発展を見守り続けたい」と話している。

(山上達也)

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旭日双光章

毎日型配食サービス実現

元徳山市議、周南市議

長谷川和美さん(76)

(周南市楠木)

 徳山市議、周南市議を計16年間務め、平成の大合併では県内初の周南市誕生を進めた。周南市議会では政治倫理条例制定特別委員長として全会一致での条例制定に尽力した。

 教員を経て塾を経営していたが、「高齢社会をよくする女性の会」(樋口恵子理事長)の地元組織で「高齢社会をよくする女性の会・徳山」に発展する「秋月ひまわり会」を発足させて今年が同会の35周年。高齢者の暮らしを支える活動を続け、2011年には全国大会も引き受けた。毎月1回の会報も350号になった。

 現在も、週2回の高齢者が集まる「ふれあいレストラン」の活動を続け、先日はウクライナへの人道支援のためのコンサートも開いた。

 市議に初当選したのは51歳の時。公約は高齢者のための「毎日型配食サービス」の実現。高齢者が地域で暮らし続けるために不可欠な、安価でバランスのとれた食事の提供を提言し、1期目で1日2食を100人を対象に提供する形でスタートさせた。介護保険が始まったころだった。徳山中央病院への小児救急開設、徳山駅前の浸水問題などにも取り組んだ。

 受章は「一緒に走ってきた仲間がいたからできた。ありがたいこと」と受け止めている。高齢社会をよくする女性の会・徳山は、最近は新たな会員を募集していないが、今も30人が活動。ほとんどが長谷川さんより年上で「今いる人たちを大切に、一日でも長く健康でいられるように支えていきたい」と話している。

(延安弘行)

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瑞宝双光章

「子どもに寄り添う指導、支援を」

前光市教育長

能美 龍文さん(74)

(防府市岩畠)

 離島の複式学級の教員を振り出しに光市教育長の退任まで49年に及ぶ教職生活を経ての受章に「お世話になった皆さんのおかげ。感謝の気持ちでいただきたい」と喜ぶ。

 父も教員で転勤が多かったが、付属光小、三島中を経て進んだ光高では、同級生の中に生徒会長で活躍していた現市長の市川熙さんがいた。山口大教育学部を経て下関市の離島、蓋井(ふたおい)島の蓋井小に赴任し、3、4年生の複式学級の5人が初の教え子になった。次の異動先は蓋井島の対岸の吉見中で、同島出身の生徒の寄宿舎の寮監を兼ねた。

 周南地域では富田中に8年間勤務し、新南陽市教委学校教育課で指導主事を務めた。その後も防府教育事務所長、県教育庁審議監、山口市大殿中校長も務め、2010年に光市教育長に就任。光高の同級生で市長1期目の市川氏を教育行政面で補佐する形になった。

 教育長時代は「ともに頑張ろう、ともに汗を流そう」と教員や職員に呼びかけて心をつかんだ。コミュニティスクールの推進や小中一貫校の素地づくりにも尽くし、その流れは現在の伊藤幸子教育長に引き継がれて深化が進んでいる。

 後進には「学校間、校種間連携の一体的な取り組みは、これからますます重要になってくる。子どもたちに寄り添った指導、支援の充実に努めてほしい」とエールを送る。

 防府市岩畠で妻と2人暮らし。3人の娘は全員嫁いで、5歳と2歳の孫の成長に目を細めている。

(山上達也)

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