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【下松】[東洋鋼鈑㈱]創業90周年で「横山記念館」改装 ものづくりの熱意を次世代へ
経済下松市4月1日に創業90周年を迎えた東洋鋼鈑㈱(甲斐政浩社長、本社・東京)が、山口県下松市の下松事業所(荒瀬真事業所長)にある横山記念図書館を37年ぶりにリニューアルした。
創業90周年を記念した取り組みで、名称も「TK Lib横山記念館」に変更。1日から従業員の利用が始まった。
元社長の横山氏の遺志で3千万円寄付
横山記念図書館は同社で社長や下松工場長を務めた故横山金三郎氏(1909-85)の遺志で、妻の静(しず)さんが同社に3千万円を寄付し、87年3月に建設された。地上1階、地下1階で、延べ234.8平方メートル。
下松事業所の玄関そばに建てられ、蔵書は金属関係の専門書を中心に約1万2千冊。製造現場の第一線で働く従業員や技術研究所の研究スタッフなどに幅広く利用されてきた。
しかし設備が老朽化し、ネット検索が普及したため、図書館の機能は残しながら時代に合った形にリニューアルすることになった。
ワークブース、女性用トイレ新設
TK Lib横山記念館の1階部分はカウンターテーブルやソファーを置き、従業員や本社からの出張者が利用できる空間を確保。ネット環境を完備したワークブースを設け、研修や本社とオンラインで打ち合わせができる環境を整えた。さらに男性用しかなかったトイレは女性用を新設。トイレや玄関はバリアフリー化した。
外装もこれまでの白基調から黒基調に変えて、同社製品のビニトップ(樹脂化粧鋼板)を使用した。
同事業所の河田浩志副所長兼総務部長は「横山氏は現場をこよなく愛した人だったと語り継がれている。故人のご遺志を次の世代につなぎ、創立100周年に向けて、これからも地域の皆様に愛される下松事業所であるように努めていきたい」と話していた。
同図書館は通常は従業員しか利用できないが、事業所を一般開放する10月19日(土)の「TK Worksフェスティバル」では、一般の来場者も入館できる。