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影響は前月より改善 帝国データ、東京商工リサーチ調査
経済その他県内に本社がある企業を対象とした新型コロナウイルス感染症に関するアンケート調査の結果がまとまった。帝国データバンクの調査では「すでにマイナスの影響がある」が60%、東京商工リサーチは「影響が継続している」が68%で、いずれも前回調査からポイントを減らし改善の兆しが見えている。
民間の信用調査機関の調査。帝国データバンクは2月から調査を始め今回が7回目。8月18日から31日までに121社からインターネットで回答を得た。
「自社の業績にどのような影響があるか」については、「すでにマイナスの影響がある」と答えた企業が73社で60.3%。調査開始以降初めて前回の数値を下回った。「今後マイナスの影響がある」と答えた企業が20社で16.6%。合わせて93社で76.9%となり5カ月ぶりに8割を下回った。
一方で、「影響はない」とする企業は16社で13.2%、「プラスの影響がある」と答えた企業は2社で1.7%にとどまった。わからないと答えた企業は10社で8.3%。
「既にマイナスの影響がある」、「今後マイナスの影響がある」と答えた企業について、前回の7月調査と比較すると、規模別では、大企業で83.3%から86.7%へ3.3ポイント増加、中小企業で79.8%から75.5%へ4.3ポイント減少した。
業種別では、運輸・倉庫で8.3ポイント、サービスで7.5ポイント、製造で6.6ポイント、建設で4.8ポイント減り、卸売で3ポイント増加。建設は3カ月連続、サービスは2カ月連続で前月を下回り、卸売は3カ月ぶりに前月を上回った。
■8割がオンライン・テレワーク
自社のデジタル施策については、「取り組んでいる」が121社中94社で77.7%、「取り組んでいない」が23社で19%、「分からない・不回答」が4社だった。規模別では、大企業で80%、中小企業で77.4%。業種別では、サービスが100%、建設が83.3%、製造が77.5%。
取り組み内容では、「オンライン会議設備の導入」が57社で60.6%、「テレワークなどリモート設備導入」が42社で44.7%、「ペーパーレス化の推進」が38社で40.4%、「オンラインセミナーの開催」が18社で19.1%、「電子承認の導入」が15社で16%という結果になった。
■9月以降の見通しにも改善の兆し
東京商工リサーチは今回が8回目の調査。8月28日から9月8日までにインターネットで88社の回答を得た。
「企業活動に影響を及ぼしているか」という質問について、68.1%に当たる60社が「影響が継続している」と答え、前回調査から7.7ポイント減少。「現時点で影響は出ていないが今後出る可能性がある」は20社で22.7%、「影響が出たがすでに収束した」と「影響はない」がそれぞれ4社で4.5%。
「前年同月を100とした場合の8月の売上高」は67社が回答。100以上の増収は14社で20.9%にとどまり、79.1%が前年割れ。前年割れと答えた55社に要因をたずねたところ、「国内企業への売上減少」が36社、「国内消費者への売上高減少」が16社で合計52社、94.5%を占めた。
「9月から12月までで1カ月でも売上高が前年同月比で50%以下に落ち込む可能性はあるか」との問いでは、回答があった80社のうち25社の31.2%が「ある」と答え、前回調査の41.5%から10.3ポイント改善した。
「コロナ禍の収束が長引いた場合廃業を検討する可能性があるか」については、79社からの回答のうち「ある」と答えたのは5社で6.3%。前回より0.8ポイント改善した。
「国や自治体、金融機関の支援策の利用」について88社が回答。37社が「利用した」、13社が「今後利用する可能性がある」と答え、合計50社で56.7%が利用について触れている。「どんな支援策を利用したか」については、民間金融機関の無利子無担保融資が22社で最多。雇用調整助成金が17社、持続化給付金が16社と続いた。