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【下松】「雲気文」描く重厚な欄間彫刻を 教應寺・岩瀬長五郎の末えい奉納
地域下松市下松市生野屋の教應寺(内山信昭住職)に1月、縁起のいい雲気文(うんきもん)をかたどったケヤキの欄間(らんま)彫刻が奉納された。明治末期ごろの作品と見られ、この作品を保存していた同寺門徒の高校非常勤講師、岩瀬清太郎さん(73)=末武上=は「私の先祖が彫った貴重な作品。教應寺で末永く親しまれてほしい」と話している。
(山上達也)
宮大工で花岡定住、花岡八幡宮改築に活躍
岩瀬さんの先祖の初代の岩瀬長五郎は、江戸時代の中期から後期に活躍した宮大工。岐阜県岩瀬村(現下呂市金山町)から京都に移り住んで宮大工の腕を磨き、晩年は花岡八幡宮の拝殿の改築のため下松市花岡に定住。
河内の西念寺や光市光井の玉泉寺、三井の龍珠院、島田の熊野神社など周南地域でも多くの神社仏閣の欄間に作品が残されている。長五郎は「西の左甚五郎」の名声をほしいままに花岡を拠点に創作活動を続け、1864年に86歳で没した。
重さ5キロ、龍の力強い姿がいきいきと
このたび岩瀬さんが教應寺に奉納したのは二代目の岩瀬助吉(1826─1912)が彫ったもの。助吉は長五郎の弟子を経て養子になり、長五郎の緻密な技術をしっかり受け継いでいる。
作品は縦15センチ、横135センチに及ぶ大きなもので、重さは5キロ。龍が力強く彫られており、教應寺では奉納を受けてさっそく、本堂に据え付けた。本堂に参拝すればだれでも参観することができる。旧本堂にも助吉の作品が残されている。
清太郎さん「皆さんに親しんでいただければ」
もともとこの欄間彫刻は清太郎さん宅の仏間に据え付けられていたもので、末永くたくさんの人に親しんでもらおうと教應寺に奉納した。奉納は1月11日の総代会で内山住職(68)が披露し、本堂に設置されているピクチャーレールに固定した。
同寺にはほかにも長五郎や助吉にゆかりのある彫刻品が多い。内山住職は「ご関心のある方にはぜひご覧いただきたい。いずれ、長五郎や助吉が周南地域に残した作品をめぐるツアーを検討してみたい」と話す。
かつて華陵高で長く教諭を務めた清太郎さんは、長五郎から数えて八代目になるが「この作品を多くの人の皆さんに親しんでいただければ、長五郎も助吉も喜ぶでしょう」と笑顔を見せていた。
問い合わせは教應寺(0833-44-8967)へ。
