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【周南3市】「小学生の4〜5割は泳ぎが苦手」 海水浴客減少、屋内プールは堅調
地域その他「小学生の4割から5割は泳ぎが苦手だと認識しています」―9日の下松市議会12月定例会の一般質問で、玉川良雄教育長はこう答弁した。記者席で取材中の筆者は「4%から5%の聞き違いではないのか」と耳を疑い、事後に田谷義和学校教育課長に確認したが「4割から5割」で間違いなかった。どうして「泳ぎが苦手な子ども」が半数に迫るほど多くなったのだろうか。
(山上達也)
「泳ぎが苦手」は25メートル泳げるかが基準
この答弁は「小中学校における水泳授業」を取り上げた三浦徹也議員(新生クラブ)に対するもの。三浦議員は「水難事故防止を中心とした“安全教育型”に転換の可能性はないか」と質問し、玉川教育長は「実技を伴う安全教育が生涯にわたる水難事故の防止につながる」と答弁した。「4割から5割…」の答弁は三浦議員のその後の再質問のやり取りの中であった。
田谷課長によると市教委は「泳ぎが苦手な子ども」の定義を「25メートルを泳げない」に位置付けているという。「20メートル近く泳げる子どももいれば、水に顔をつけられない子どももおり、一概に“カナヅチ”というわけではない」と説明する。
下松市は独自事業で「子ども水泳教室」
市は地域交流課の主管で、小学2年生〜6年生を対象に3日間のカリキュラムで「子ども水泳教室」を毎年開いており、参加費は1人千円。泳げない子どもから、ある程度泳げる子どもまで、泳力に応じた指導に取り組んでいる。市主催で水泳教室を開くのは県内でも珍しいという。
市地域交流課の守政彩子課長は「各段階に応じた指導で子どもたちに泳ぐ楽しさを伝えている」という。この事業は市が周南市久米のスイミングセンター徳山に委託している。
コロナ禍、授業時間数減、猛暑が壁に
しかし実際に、泳ぎが苦手な子どもは増えている。コロナ禍の数年は水泳の授業がなかったことや、近年の猛暑で水泳授業ができない日の増加など理由は多岐にわたる。夏休み中は子ども会による学校のプール開放があったが、最近は子ども会の減少でプール開放も減っているという。
隣の光市も同様だ。市教委の岩政浩二学校教育課長は「統計をとっているわけではないが、泳ぎが苦手な子どもは確実に増えていると実感している」と話す。周南市教委は学校教育課が「泳ぎが苦手な子どもの実態は各学校で把握していると思うが、教育委員会ではまとめていない」と取材に答えた。
光市の海水浴客は前年比で6割落ち込み
海水浴客も減少。光市の虹ケ浜、室積両海水浴場は今年の利用者が前年比で6割も落ち込んだ。※別表参照
半面、下松市のくだまつ健康パークのレジャープールは毎年盛況だ。今年の夏の利用者数は3万5,595人で、昨年と比較してもほぼ変わらない数だった。
くだまつ健康パークの戸倉淳平アクティビティ事業部長(52)は「泳ぐというより水遊びの趣向が好まれるのかもしれない。屋内プールだと猛暑は関係なく、安全で安心してもらえる」とプールの人気を説明する。
こうした「水離れ」や「泳ぎ離れ」はどこまで広がるのだろう。午年の来年こそ、未来に向かって力強く駆け抜ける馬のように、水の上でもたくましく羽ばたく子どもたちが育つことを願いたい。
