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　山口県周南市に住んだ俳人、兼﨑地橙孫（1890―1957）をしのぶ芙蓉忌が3日、周南市上御弓丁の地橙孫の辞世の句「今日の日を包みて了へぬ花芙蓉」の句碑の前で開かれ、市内の小学生から募集した第7回俳句コンクールの表彰式があった

　地橙孫は祖父が徳山藩士。俳句は河東碧梧桐に師事した。終戦まで下関市で弁護士を開業していたが、戦後、父祖の地の徳山に移り、弁護士として活躍しながら俳句を指導した。その俳句は気品ある「清明句」として知られている。中村不折直伝の書家でもあり、交友のあった種田山頭火の墓標も書いた。

　芙蓉忌は兼﨑地橙孫顕彰会（兼﨑人士会長）が命日の9月3日の前後の日曜に開き、今回は日曜と命日が重なった。

　藤井律子市長と厚東和彦教育長、岸信千世衆院議員、周南文化協会の久行保徳副会長らが出席し、藤井市長が贈った、1日で枯れてしまうという芙蓉の花が句碑のそばに置かれた。この日は咲いていなかったが、今年、碑のそばにも芙蓉も植えられている。

　兼﨑会長（76）は「句碑のあるこの通りが文化発信の地として愛されるよう頑張りたい」とあいさつし、俳句コンクールの入賞者に表彰状を渡した。柴田幸風、石角繁隆、木本清美さんは辞世の句と俳句コンクールの最優秀賞1句、優秀賞2句を吟じて盛り上げた。

　最優秀賞の今宿小6年、白川瑠菜さんはミニバスでの逆転シュートの体験を「汗も乗せ逆転シュートうちはなつ」と表現し「自分の喜びを表せるようにした」と受賞を喜んでいた。最優秀賞、優秀賞の3句は碑のそばの掲示板に3年間掲示される。

第7回小学生俳句コンクール入賞作品

【最優秀賞】　

汗も乗せ逆転シュートうちはなつ　　今宿小6年　白川瑠菜さん

【優秀賞】

夏まつり今日の気分はチョコバナナ　　須磨小2年　田辺由紀子さん

海目指しうきわ片手に走り出す　　秋月小6年　原田美伶さん

【入選】

かきごおりシロップの味はブルーハワイ　　高水小6年　田中吹さん

イルカショー暑さを飛ばす水しぶき　　秋月小6年　船本篤志さん

四年ぶりコロナ明けての夏祭り　　秋月小6年　河口世那さん

プール開きわくわく声がとまらない　　今宿小6年　栢愛美さん

夕焼だ明日はきっといい天気　　高水小6年　山縣伸之典さん

夏の夜ぼくの星座をさがし出す　　今宿小6年　久村圭人さん

手の平になったばかりのひきがえる　　高水小6年　守田和義さん

あじさいがあめにうたれてひかってる　　高水小6年　藤田愛梨さん

ゆらゆらとほたるがきれいに星のよう　　高水小4年　村上夕莉菜さん

セミの声夏を届けるみんなにね　　秋月小6年　村上真昊さん

【特別賞】

向日葵のような君臆病な私を前向きに　　秋月小6年　福田彩稀さん