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【周南】トクヤマ百年史が優秀会社史賞 「詳細かつ率直に記載」
地域周南市㈱トクヤマ(横田浩社長)が2022年に刊行した「トクヤマ百年史」が一般財団法人日本経営史研究所の「優秀会社史賞」を受賞した。先に刊行されている「徳山曹達70周年史」を検証して、記述を追加、再構成し、この30年のあゆみでは、マレーシア進出計画のつまずきなど多結晶シリコン事業の推移も失敗を含め詳細かつ率直に記述している点などが評価された。
「優秀会社史賞」は今回が第24回で、2022年4月から2024年3月までに刊行された81社99冊の社史から選考委員会(委員長・宮本又郎大阪大学名誉教授)によって4点が選ばれた。
「トクヤマ百年史」は2018年に創立100周年を迎えた同社が2022年に刊行した。627ページの本編と130ページの資料編があり、1918年(大正7年)、当時の徳山町でソーダ工場の建設に着手し、岩井勝次郎が日本曹達工業を設立したことに始まる同社の2021年までの歴史を記載し、一冊で同社のすべてがわかるようにしている。
本編は岩井勝次郎について記述した第1章「ソーダ工業の発展と当社の生い立ち」に始まる11章で構成。2008年~15年の第10章「100周年ビジョンとマレーシア計画」では、多結晶シリコン事業のマレーシア進出のつまづき、第11章「次の100年への再生の礎」で、コーポレート・ガバナンスの強化に重点を置いた体制、多結晶シリコンの再構築などについて記載している。
2013年に「百年史」の刊行を提案し、中断をはさんで22年の刊行まで携わったCSR推進本部広報・IRグループの青木徹さん(67)は「良いことばかりを並べるのではなく、どうして撤退に追い込まれたのかなど、資料を詳細に分析し、時系列的にまとめ、同じ失敗が二度と起きないように、次世代に継承できるようにまとめた」と話し、受賞を喜んでいる。