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[㈱トクヤマ]「ファインケミカルの会社に変革」 井上新社長が会見
地域周南市周南市御影町の総合化学メーカー㈱トクヤマは6月26日の株主総会後に記者会見を開き、井上智弘代表取締役社長執行役員が今後の経営方針や中期経営計画について説明した。
井上社長は宇部市出身。1989年に入社後、研究開発や子会社でのマーケティング、営業、海外事業、経営企画など幅広い分野を経験し、今年4月に社長に就任した。
中期経営計画は2030年度までに売上高4,075億円、営業利益570億円、営業利益率14%が目標。株主還元も強化し、資本配当率4%を目指す。
成長分野には半導体向け電子材料やライフサイエンス分野を位置付ける。AIの普及によるデータセンター需要の拡大や高度医療市場の成長を追い風と捉え、「世界の成長市場に乗り遅れないよう投資を進める」と述べた。
一方、3月に発表した国内セメント事業の営業権譲渡について、「私自身も10年間携わってきた事業で断腸の思い」と振り返り、「セメント事業で得られる資金を電子材料や健康分野へ振り向け、事業ポートフォリオの変革を加速させる」と説明。「今回の変革は後戻りしない強い決意の表れ」と強調した。
徳山製造所は生産や技術開発の中核を担う拠点として今後も重要性は変わらないと説明。中計期間中の事業投資の約2割を同製造所に充てる考えを示し、設備更新や成長分野の新設・増設も検討する。
脱炭素化のアンモニア活用については、市場環境や政策支援の変化を踏まえて計画を見直し。35年度までに温室効果ガス排出量を60%削減する目標は維持し、燃料転換など幅広い手法を検討する。
研究開発では電子材料とライフサイエンスを重点分野と位置付け、限られた研究資源を集中投入する考え。
「徳山製造所は地域とともに発展してきた拠点」とし、雇用の維持や税収への貢献に加え、スポーツ活動や環境保全活動などを通じて地域との連携を深める方針を示した。
社長就任について「想像以上に責任の重さを感じている」と率直な心境を語り、「総合化学メーカーから電子・健康分野を軸とする成長企業へ変革していきたい」と意気込む。
