2024年12月11日(水)

コラム「一言進言」

「未知との遭遇」に打ち勝てるか?

~同調圧力を防げ~

■ 20世紀からこれまで、人類は様々な体験をしてきた。前半から中ごろまでは世界大戦で殺し合いの体験を重ねてきた。兵器もそれに伴い格別に発達して、最期は原爆投下と言う未曽有の経験である程度は幕を下ろした。戦争はそれまで兵士たちがお互い殺しあうのが主流だったが、都市を破壊、大量殺戮(さつりく)兵器を持つことが勝敗を決めるようになった。テロに勝つためと、無差別のような空爆で、女性や子どもを区別なく殺戮する戦い方が当然となった。しかし、世界大戦まではいかなくなった。人間の知恵は本当に人類に役立ったのかわからない。

■ その後、エボラ出血熱やエイズなど世界中で数多くのウイルスが蔓延(まんえん)し、ウイルスとの闘いも経験してきた。その都度、何とか収まりを見つけ、世界中への蔓延を食い止めてきた。そこに昨年から新型コロナウイルスが登場、あっという間に世界中がコロナ禍に突入した。どんなことになるのかと思ったら、今年になってワクチンが急速に出現し、なんとなくどうにかなりそうな雰囲気ではある。

■ だがコロナは人類にとって「未知との遭遇」だ。感染の後遺症がどれほどのものかもわからないし、ワクチン接種で体内に何が残るか、どう影響するかまるで分らない。私の周囲でも若い人ほど恐怖心を抱く人が多い。人類の知恵の結晶がワクチンだろう。はっきりしているのは、たちまち感染する確率が減り、重症化する可能性が低いことだ。しかし、接種するかどうか決めるのは個人の判断だ。非常事態宣言のように、接種を強制する雰囲気はまずい。12歳からの接種も言われているが、果たして良いことなのか。

■ 高齢者は9割が接種したと聞く。高齢者は10年、20年後の後遺症はほぼ心配がいらないし、しない。たちまち感染さえしなければ気持ちが楽だ。若い人たちは、特に女性は、将来にわたってワクチンが体内に及ぼす影響がまだ全くわからないだけに怖いのだ。職域接種も始まった。くれぐれも同調圧力が生じないことを祈るばかりだ。

■ 人類の知恵も「未知との遭遇」では、いかほどのものか誰も正解を言えない。私の知り合いの医師は、接種券に添付された「かかりつけ医が打ってもいいと言ったか」の設問に、「私はいいとか悪いとか答えられません」とはっきり。何という設問かと私も怒った。地方の医師に判断させるなど考えられない。それを聞いて、私は私の意志だけで接種した。

(中島 

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