2026年10月23日(金)

コラム「一言進言」

若者定住は絶大な効果

~徳山大学公立化に一言~

■ 地方の課題は、若者定住と少子化対策が最重要課題だと断言できる。高齢者福祉も大事だが、地域が元気になるには若者が増えることが一番の大切な要素だ。言葉遊び的な「幸せを感じる地域」「助け合える地域」など悠長なことでは衰退しかない。5、6年前から周南市の企画課、徳山商工会議所に声をかけ、徳山大学の改革案を持ち込み、非公式だが当時の学長などと議論を交わしてきた。一番は同大に地元から進学する学生があまりにも少なかったからだ。卒業生の多くは他県からが圧倒的で、地域の企業に就職してもほとんどが離職、地元に帰っていたのが実情だった。
■ 議論がかみ合わず、半ばあきらめかけてた時、理事長が変わり、学長も変えた。リーダーが変わるとこうも変わるものかと思った。内部体制も一気に変えて行き、外部から人を求め、責任を明らかにし、職員への指導も強化していった。その時期と同じくして藤井市長が当選し、公立化に向けて急速に動き出した。私たちは学生の質の向上を強く訴えていたが、人数合わせの学生採用を止め、全国から優秀な講師陣を集め、定数にこだわらない取り組みも始まった。
■ ある統計資料によると、一人若者が定住すると生涯で5千万円以上の税金が地方自治体に入る。所得税はもちろん消費税、ガソリン税など、多くの税金を払う。家でも建てれば固定資産税も生涯払う。若者定住に1人200万円、300万円使っても充分元が取れる計算だ。人手不足で悩む地元企業にとっては切実な問題だ。地域経済への効果も計り知れない。
■ 山口県から他県への大学進学者は60%に及ぶ。就職者はもっとその比率が増える。かくして山口県の若者の流出は止まることを知らない。若者定住に無策が続いた山口県は衰退の一途を歩んできた。ハローワークの情報では、毎年5千人の若者が県外に出ているとのことだ。地元の若者が地元の大学に進学、そして親元か、その近くに住む。もう少しそんな若者が増えればと願うばかりだ。
■ 徳山大学へ提言したころ、当時県議だった藤井律子市長と、当時県教育委員長だった山県俊郎氏と共に県教委を訪ね、高校現場でもう少し県内の大学進学をと指導できないかと頼みに何度も足を運んだ。答えは「山口県は昔から上(かみ)に上(あが)り出世しようとする教育が主流で、現場の教師の意識を変えるのは難しい」とのことだった。しかし徐々に流れも変わってきた。藤井市長の公立化への思いはそのあたりが原点だったのかも知れない。

(中島 進)

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