2025年11月09日(日)

コラム「一言進言」

権力に媚びない新聞作りを

~1カ月160ぺージの情報提供続ける~(ある地方紙休刊に想う)

■ 日本で太陽に一番近い市として知られる、日本最東端に位置する北海道の根室市。1947年(昭和22年)、我が社と同じ年に誕生した地方紙「根室新聞」が今春74年の幕を閉じ休刊となった。 ■全国の地方紙が休刊、廃刊になることは珍しくなく、私が知るだけでも実に多くの地方紙が姿を消した。「根室新聞」もブランケット版で4ぺージ、日曜、祝日以外週6回の発行を続けていた。ほぼ「日刊新周南」と同じ形態だ。最終号は2万2249号だった。我が社が「徳山公論」時代が週3回発行だったのもあって現在1万9042号(月曜日付け)だ。

■ 漁業が盛んなのと、北方4島を眼前して、漁業関連記事と、北方領土返還を市民に訴える記事が特徴的だったと聞いた。しかし、最盛期4万5千人もの人口があったが、最近は2万4千人足らずと激減、コロナ禍の中で広告収入も大幅減でとうとう休刊となったとある。

■ 北海道の端と本州の端で同じような地方紙を発行していたと思うと他人ごとではない。活字離れと、地域への無関心、人口減少と3重苦、4重苦の中、地方紙の存続は至難の業だ。我が社も映像部門や雑誌部門、印刷部門と収入源の確保は命を繋ぐ手段として貴重だ。

■ 弊紙は毎日8ぺージ建て、月平均20日は発行、1カ月160ぺージ以上のボリュームで地域の様々な情報を届けている。しかも毎日3市の大半の地域で軒下まで届けている。地方紙と言えどもすべて人間の手による作業だ。値段が高いと思われるが、これだけの情報を作り、届けるには莫大な人の力を要する。 ■私たちは何より、地域が物心両面豊かになるために新聞発行を続けている。地方の最高権力を持つ市長はじめ自治体が的確な施策をしてもらいたいがため、時には厳しい記事も書く。だから時には恨まれる。

■ 地域のことに関心が薄くなった人が激増している中、地方紙の役割はもっと増えていると実感する。人の手による確かな情報もさらに大切になった。地域で頑張る人をもっともっと取り上げ、たくさんの人に知ってもらうことが地域コミュニティーの基本だ。

■ 「根室新聞」が休刊して多くの人に惜しまれたと聞くと、惜しまれるより欲しがられる新聞を作らないと、と思うばかりだ。近く電子版もスタートする。周南地区から出て行った人たちとつながるツールになれば、人口減少にも耐えられるかも。権力に媚びない新聞づくりはこれからも続く。

(中島 

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