2026年04月30日(木)

コラム「一言進言」

読者のための新聞であるか?

〜値上げに苦悶する〜

全国の地方紙は毎年数社が廃刊に追い込まれている。ここ2年はコロナの影響で廃刊する地方紙が急増した。もちろん大きな要因は新聞を読まない人が増えてきたことだ。大手紙も減部が激しく、専売店の統廃合も急速に増えている。

しかし地方紙の役割は時代を超えて不変だ。まずは地域の人たちを元気にすることだ。毎号何十人もの市民を紙面上で取り上げ、周囲の人たちに知ってもらい、人のつながりを強くしてきた。大手紙では不可能な、地方紙ならではの大切な役割だ。

市民の代弁者として、行政や政治の監視役になることも重要な役目だ。行政に物申すことは一般市民には難しいが、問題点を指摘、是正できることはしてもらい、より良い暮らしができるような地域になることが目的だ。例えばJR徳山駅の新幹線改札口すぐのトイレにトイレットペーパーがなく、利用者に不便だと訴えて、何とか設置を実現したこともある。

地域のことを知っていることは周南3市に生活する人のプラスになると信じて、地方紙として発行を続けてきたつもりだ。新聞発行は労働集約型産業の最たるものだ。取材から編集、配達、集金まで人間の手が必要な事業だ。こんなちっぽけな新聞社でも、全ての業務を貫徹するのに80人以上の人が携わっている。その中で22年間、新聞購読料を据え置いて発行してきた。

しかしコロナ禍は異常な状況を作り出した。広告収入が激減し、感染予防のため配布も難しくなって、まずは「R70」の休刊を止むなしとし、雑誌「mirai」の発行も中止した。新聞発行の経費を補っていたこれらの中止や、スポンサーの大幅減少、さらに消費税が追い打ちをかけ、物価高騰の嵐が吹きすさぶ中、22年間耐えてきた購読料の値上げを余儀なくされた。

大切な読者に負担を強いるのは忍び難いが、新聞発行を継続するにはこれしかないと決断した。一方で、本当に地域のための新聞になっているかと自問もした。唯我独尊の新聞になっていないか、市民のためになっているか、市民に喜ばれているか、小新聞だが存在する意義があるのか。

22年ぶりの値上げで、読者の皆様の負担は増す。社員一同、心を引き締め、それに応えられる新聞を作らないといけない。この際に皆さんからのご意見を聞きたい。忌たんのないご意見をいただきたい。何より継続しての購読をお願いしたい。心底お願いしたい。どうかよろしくお願い申し上げます。

(中島 

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