2026年06月15日(月)

コラム「一言進言」

下松市議会の「趣旨採択」に疑問

〜少子化対策は緊急の課題だ〜

大阪府は府立大学の学費を府民には無料にすると宣言した。明石市の手厚い子育て政策の流れは確実に地方自治体の流れになりつつある。日本の教育費は世界でも最高クラスの高さだ。子育てに不安を抱かせる中、かつてない少子化が続いている我が国は、遅まきながら政府も対策に乗り出した。

しかし、財源の話になると、社会保険料の値上げや医療費のアップなど、国民に負担を増やすことしか考えない。無駄を省き、経費を削減することはいくらでもあるはずだ。現に地方自治体で負担を増やさず、高校生までの医療費無料化、学校給食の無償化などをしているところがどんどん出てきた。

先日、暴言と相当な少子化対策で有名になった明石市の前市長泉房穂氏と、日本維新の会を設立し、大阪市市長などを歴任した橋下徹氏との対談を、ネット番組で見た。司法教習生時代の仲間だったとのことだが、地方自治体を改革すると言う点では意気投合していた。「無駄を省けば費用はねん出できる」が両者の一致した意見だった。

先週、下松市で511人の市民の署名を元に「中学生の医療費無料化を求める請願」がされたが、議会では趣旨は良いが、実現は難しいと趣旨採択となった。確かに行政側がその気にならないと実現できないが、その気にさせるのが議会の役割だ。行政に優しい議会に市民は納得するのだろうか。

平成6年、7年だったか、下松市議会の共産党が熱心に中学校の給食をと訴えていた。当時中学で給食がないのは県内では下松市だけだった。その後の市議選で共産党は過去にない票を獲得した。多くの市民の共感を得たからだ。平成8年、中学校で給食が始まった。

先の泉氏と橋下氏は改革派首長として活躍、共に地域政党を立ち上げ、その実績を背景に、今春の明石市の市長選では自公両党が推し、地域のボスたちが応援した候補を泉氏が後継指名した候補が圧倒して勝利した。維新の橋下氏は去ったが、身を削る首長の実績で旧来の政党を完全に圧倒して維新は勝利した。

地方自治体の前例主義を打ち破るのは至難の業だ。公務員は人事権もなかなか首長に渡さない。余程の首長でないと、思うように行政は動かせない。議会は何が本当に市民のためになるか議論し、提案するところだ。今回の下松市議会の腰の低さは心配だ。「趣旨採択」は全会一致とある。その中に共産党市議も入っていたのに驚いた。中学生の医療費無料化は今の時代には緊急の課題と思うが、いかがなものか。         

(中島 

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