コラム「一言進言」
「育休」って本当に有効か?
〜3世代同居を推進しよう〜
■「イクメン」という言葉が一般的になったのはいつごろからだろうか。そんな前でもなかったが、どこかの知事まで「育休」して、いまでは当たり前の世界になって、男性の「育休」はそこらじゅうで聞くようになった。後期高齢者になった私たちの年代では、未だに体の中にすんなり入ってこない。染み込まないのだ。
■1970年代、80年代に大人になった私たちは、男性は外で汗水流して働いて、女性は子育てに、炊事に、洗濯に汗を流すのが当たり前の世界で生きてきた。確かに家事は重労働だが、休日は男性が手助けしながら家庭を守っていくのが普通だった。確かに亭主関白で、家庭を顧みない男性も少なからずいた。
■この分業は、女性と男性の性の違いからだと思い込んでいた。もって生まれた本能が、女性は子育てに向いているし、男性は肉体労働を含め外の仕事に向いていると信じていた。男性は授乳もできないし、料理も教えてもらうことがなかった。「イクメン」の時代になって、かなりの男性は戸惑っている。
■たまたま私は自営業で、夫婦共稼ぎ状態で家庭を持ち、夫婦とも無我夢中で働いてきたから「育休」と言う感覚は持ちようがなかった。とてもじゃないが「育休」を取って会社を経営することなど頭の隅にも思い浮べることはできなかった。
■我が家では出産時、一番助かったのは妻の母親の手助けだった。出産の経験のある祖母は、自信をもって育児に向かっていた。男性が「育休」を取って家庭に帰っても、統計的には1日3時間以内しか手伝えないと言う。出産も育児も経験ない男性には無理がある。それよりも祖母や祖父の応援の方が安心だ。
■多くの企業では、女性は寿退社が常識だった。どうせ出世する可能性もほとんどなかったし、子育てに向くのは女性だとほとんどの人が思い込んでいた。女性の社会進出が進んできて徐々に働きたい女性への思いやりが生まれてきた。政治の世界でも女性議員が増えてきた。それはすこぶる良いことだが、障害の大きさがクローズアップされてきた。
■男性の「育休」より、祖母の手助けや乳児保育園の充実の方が現実的だ。「育休」男子への援助より、働きたい女性への援助を大幅に増やすことの方が現実的ではないか。できれば3世代同居には多くの支援をすればよい。連日の報道で「育休」を呼びかけるより、育児も、仕事も両立できる環境はどういうことか、さらなる検討が必要だ。中にはいるが、男性に育児は向かない。古い世代の男性の感覚だろう。
(中島 進)
