コラム「一言進言」
「犬の目がかわいそうで」始めたボランティア
〜今のところ殺処分ゼロの周南市〜
■ここ10年以上前から周南市は「野犬の街」として有名になった。我が社にも在京のテレビ局からの問い合わせが何度もあった。野犬対策を訴える声もよく聞いた。最近は昭和通界隈に黒い野犬が歩いているという話も入ってくる。確かに夜中に闊歩(かっぽ)する野犬と出くわすと怖い。
■野犬の捕獲は県の所管だが、以前は市の管轄だった。昔、父が徳山市の清掃課長だったころ、中学生だった私に無理やり社会体験だと野犬狩りの手伝いをさせた。当時は捕まえた犬は全て殺処分だった。大迫田に収容処分施設があり、「犬獲り」のおじさんの車に乗って街中の犬を捕獲した。「犬獲り」のおじさんがにらむと、どの犬もピタッと動かなくなり、飼い犬でも道でウロウロしていたら容赦なかった。処分場の近くになると車の後ろに乗せられた犬たちが「キャイン、キャイン」と泣き叫びだした。耐えられず3日で音を上げた。
■「犬の目を見たら可哀そうで始めました」。人間の目をまともに見れない保護犬の姿に動かざるを得なかったと語るのは現在ボランティア活動をしてるÅ子さんとB子さんだった。A 子さんは5年以上、防府市にある保護犬のシェルター「まあくんハウス」の活動を手伝っている。もう一人の B子さんは3年だが2人は昼間介護士や看護師の仕事をこなしながら、仕事の後や、休日を使って活動している。
■県周南総合庁舎の地下にある周南環境保健所が管理している収容ゲージに出向き、捕獲された犬の写真を撮り、全国に発信、引き取り相手を懸命に探すが、人間に慣れさすのも彼女たちの大切な活動だ。何とか散歩に行けるようにするまでも苦労する。そんな活動を始めるにも周囲の反対は大きかったと語る。
■運よく引き取り手が見つかる犬は幸運だが、引き取り手がない犬は「まあくんハウス」で飼育を続け、何とか殺処分を免れている。おかげでここ数年は殺処分された犬はいないと言う。今まで防府市が拠点だったが、今回、周南市内の熊毛地区で新しい施設の建設が進んでいる。彼女たちも活動が少しは便利になる。
■問題は犬嫌いの人も多くいることだ。日刊新周南の野犬対策の記事に対しても「さっさと殺処分せよ」と書き込む人は多い。昔から犬や猫は人間と共生してきた。野犬や野良猫の発生要因は、好き勝手に捨てたり、むやみなエサやりをして満足感だけ得る人間がいることだ。
■このたび、藤井律子周南市長は定例記者会見でシェルターに対し「何らかの支援策を考えると」初めて言及した。動物園を抱える周南市が、生き物とどう向き合うのか、大きな命題だろう。先述のボランティアたちの気持ちが少しでも楽になることを祈っている。
(中島 進)
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