コラム・エッセイ
コロナ対策勝手読み
新しい出会いに向けて-この町・あの人・この話- 浅海道子ようやく届いたマスク2枚。4月1日の発表から1週間で全世帯に届けば、指示者のもくろみは、ご本人の期待通りではなかったかもしれないが、歓迎されただろうが、我が家に届いたのは6月14日の日曜日。華々しい施策発表から2カ月半後、郵便局職員に営業時間外労働を強いてまで、もう必要なくなった頃に配られても、460億円という(後に半分くらいと修正されたが)費用は税金の無駄遣いとしか受け取られず、費用対効果は少数以下どころかマイナスになっている。
人気の若者歌手が、新型コロナウィルス禍に萎縮する世間を元気づけようと歌う姿に並べて、自分が自宅で猫と戯れながら寛ぐ姿をテレビで流すと、自粛生活でのんびり寛いでなんかいられないと大批判を受けた。一律給付の10万円も持続化給付金も、膨らんだ期待が時間と共にしぼんでいって、かけた費用が果たして期待通りの効果をもたらしてくれるのか、誰もが心配になってきている。
在職期間歴代最長を誇る大宰相も、このところやることなすこと見当外れ、タイミング外れの連続で、世界中が新型コロナウィルス暴走の恐怖に怯えている中で、日本モデルの対策成功と胸を張り成果を誇っている割には肝心の国内評価は上がらず、支持率低下に陥っている。
どうしてこんなことになるのか?少なくとも大宰相が税金を無駄遣いしたり、私利私欲を満足させるためにこんな施策を打ち出したとは思わない。それなのに、やることなすこと思いと異なる結果を招く、あるいはそのように受け取られるのはどうしてか?その原因はご本人の「勝手読み」にあると思う。
「先読み」という言葉がある。囲碁将棋のプロ棋士は、1手打つときには数十手先まで様々な打ち筋を考え巡らせた後に最善手を選んで打っているのだという。それは他の競技でもビジネスの世界、政治の世界でも当てはまることで、常に先を読んで慎重に考え、確信を持って行動することは必要なことだが、自分に都合のよい展開になるよう先読みすることを「勝手読み」といい、そんな都合の通用しない場合には期待外れの散々な結末に至ることになる。
マスク2枚を配れば国民の不安はあっという間に解消しますよというささやきや、人気の歌を聴きながら猫と寛ぐ姿を見せれば国民に受けますよというおだてを聞いた大宰相の勝手読みが、何をやっても思いと結果がちぐはぐな新型コロナ対策の現状を招いているのだ。政治家の評価は結果で決まる。周囲の妄言に惑わされず、状況を正しく把握して先を読み、適切なタイミングで結果が得られるよう心してコロナウィルスに対峙して頂きたいと、願うや切である。
(カナダ友好協会代表)
