コラム・エッセイ
コロナ飛んでけ!
新しい出会いに向けて-この町・あの人・この話- 浅海道子コロナコロナで明け暮れ、しかも一向に収まる気配が見えないこの災難。「我が国は守られている」と豪語し、対岸の火事とばかりに大統領が高みの見物を決め込んでいた某国が、今では感染者数地上最大となり、死者数も最大となること間近の状況になっている。
日常行動も自粛のもと、人心ばかりか経済活動も萎縮して、あらゆる見通しが日一日暗くなっていく。治療法がないのは不安だが、重症化するのは年寄りのこと、自分たちには風邪を引いたくらいのことでしかないと、不安に満ちた世の空気も他人事と流していたような若者たちも、志村けんさんの衝撃的な感染死に始まり、各界の有名人達にも広まり始めた状況と、日を追って増大する、若者の重症化例に接し、ようやく真剣に危機を自覚し始めたようだ。
日頃親しく出入りしている、若い仲間のS君も、もし自分が無自覚の感染者になっていて高齢者の私たちに感染し重症化させてはいけないと、今月に入って出入りを遠慮し、専ら電話とネットでのやり取りで用を済ませている。
とにかく、このままでは世の中暗くなるばかり。何か明るい話題は近くにないのかと思っていたら、ありました! 4月1日の本紙社会面全面を飾った、下松市在住のバイオリニスト上土居宏予さんと、続いて翌2日の社会面には周南市在住の画家片岡美男さんの記事。
地域に根付いた文化活動を長く地道に継続されているお二人とは少なからぬご縁があって、上土居さんは亡くなった息子の中学時代の同級生で、地元で開くコンサートにもよくご案内をいただき、亡くなった後の偲ぶ会にも心のこもったメッセージを寄せて下さった。力強い弓さばきで、数々の名曲の生演奏を毎年地元に届け、今年も、コロナウィルスさえ現れなければ3月には演奏会があるはずだった。
片岡さんは我がつれ合いと同じ職場で長らく過ごした仲。独特の画風で、一目見れば署名がなくともこれは片岡さんの作品だと分かる。作品ばかりか、知り合ってから40数年、驚くことにその風貌はほとんど変わらない。この人は年を取ることを忘れたのではないかと思うほど、昔のままなのだ。40年ぶりに会うと大抵なら「おや、どなたでしたか?」となるのだが、この人にはその心配は全くない。
様々な分野で活躍する人が日々新聞紙上に紹介されているのだが、自分に近しい人の活躍の記事を見つけると嬉しく、力づけられる。しかもそれが新年度最初の日と次の日と連続で、嬉しさも倍増、気分も高揚で、久々に「コロナ飛んでけ!」と叫びたい気持ちに包まれた。
(カナダ友好協会代表)
