コラム・エッセイ
ワクチン接種、総論・各論
新しい出会いに向けて-この町・あの人・この話- 浅海道子接種の効果は98%以上、しかも接種していれば重症化はほとんど防げる。一方接種の重篤な副作用が生じるのは0.03%に過ぎない。ワクチン接種の効果は歴然としている。誰だって受けるべきだ、受けたいはずだ。
ところが、そんなに明確に数字に表れているのに、接種をためらう、あるいは拒否する人が少なからず居る。しかしそれを科学的でない、事実を受け入れようとしない偏屈人だと切り捨てるのには、ちょっと待ってと声をかけたい。
98%、0.03%、この数字は何か?98%の確率で有効と言える、重い副作用を被る確率は0.03%だということなのだが、一体、確率ってどういうことなのか?中学校では2年生で確率に出会う。
「じゃんけんを1回して勝つ確率は?」「サイコロを1回振って3の目が出る確率は?」という、あれだが、教科書の答は1/3、1/6で、入試問題に出ても同じ答えで正解だ。これを「おかしい、私はそうは思わない」と言ったら「あんたの頭の方がおかしい」と笑われ、先生は懇切丁寧に、なぜそうなるかを説明してくれるだろう。
しかし現実に私はじゃんけんでなかなか勝てないという人はいる。もしかしたら「うちのサイコロは3の目がよく出る」ということもあるかもしれない。確率の話が出たときに注意しなければならないのはここのところ。確率の問題が計算で解けるのは全てのものに同じことが同じように起こるという前提があるからで、そうでなければ、この場合はこう、こちらの場合はこう、と条件が決まらなければ計算できないし、答えも違ってくる。
じゃんけんでも、私が最初はグーを出すことが相手に分かっていれば私が勝つ確率は1/3でなく0だろうし、3の目の出る確率が1/2以上のサイコロを作ることも出来る。ワクチン接種の話だって同じこと。何千万人という全体の話(総論)をするときは全体一様として示された確率の話でよいが、私個人ではどうかという話(各論)となると様々な条件を入れて考えないと安心できないのは非科学的でも偏屈でもない。
自分の体質・病歴・体調に対してこのワクチン接種の副作用はどのように影響するのか、それはどのようにすれば判断できるのか、それに納得できる説明を受ければ安心なのだが、今、公の場で解説をしてくれている先生方は、全体の有効率は何%、副作用の危険率は全体として何%としか言わず、私に対する有効率・危険率を明かしてくれないから、怖がる人をなかなか説得できないのだろう。
手洗い・マスク・換気にソーシャルディスタンスを守りながらコロナ禍の過ぎるのを待つ人がいても、それは認めて受け入れなければならないと思う。
(カナダ友好協会代表)
