2026年06月25日(木)

コラム・エッセイ

温暖化対策

新しい出会いに向けて-この町・あの人・この話- 浅海道子

 5月の北海道で39.5度。目を、耳を疑う暑さの報道に、地球温暖化防止の声が一段と強くなるだろう。地球温暖化の原因と言えば温室効果ガス、温室効果ガスと言えば二酸化炭素の名がすぐ浮かび、地球温暖化防止とは二酸化炭素(炭酸ガス)の排出抑制だという考えがすっかり定着している。

 しかし、これは大きな誤解だと思う。二酸化炭素は温室効果ガスだが、唯一のものではない。地球上どこにでもある水蒸気や、沼や田んぼ、家畜から排出されるメタンガスも強力な温室効果ガスなのだ。だが、地球上至る所で毎日発生している膨大な水蒸気の量を人間の力で調整することは不可能だし、発生源が人間の活動と直接関係なかったり、家畜だったりするメタンガスも発生を制御することは難しい。仮に水蒸気やメタンガスの発生を抑制する必要があったとしても、その費用を負担できる人はいないから、発生抑制を義務づけることなど出来はしない。

 二酸化炭素は違う。発生源として関わるのは企業だから、排出量削減のための費用を負担させることが可能だし、そのために新たな産業が興るビジネスチャンスにもなる。地球温暖化防止→温室効果ガス排出抑制→二酸化炭素ガス排湿削減という図式が出来るのはこのためで、二酸化炭素ガスの排出さえ抑制すれば温暖化が防止されると証明されているわけではない。

 もう一つの誤解は、今、酸化炭素を排出している分野で排出量を削減できれば温暖化防止に貢献できると考えることだ。自動車産業分野ではガソリンエンジン車から電気自動車への転換が世界の潮流となっている。動かせば必ず二酸化炭素を発生するのがガソリンエンジン車、いくら動かしても二酸化炭素を発生することがないのが電気自動車という見方をすれば、ガソリンエンジン車=悪、電気自動車=善となって勝負あったということになるが、電気は自然に発生するものではない。発電のための石油や石炭・天然ガスの燃焼では二酸化炭素が発生するから、電気自動車への切り替えは二酸化炭素の発生場所を変えているだけなのだ。

 だが、ガソリン車から電気自動車への流れをビジネスチャンスと見ている人達にとって電気自動車が二酸化炭素排出量削減に真に効果的かどうかはどうでもよいことで、自分たちの生き残りにしか関心はないことだろう。街からガソリンスタンドが消え、充電スタンドに切り替わった時、果たして温暖化抑制された世界になっているのか、怪しいものだという気がしてならない。

(カナダ友好協会代表)

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