2026年09月29日(火)

コラム・エッセイ

車窓3景

新しい出会いに向けて-この町・あの人・この話- 浅海道子

 今年も、はや師走。毎年、振り返ればあっという間に1年が過ぎた思いで年末を迎える。とは言え、時の移ろいの中では人も自然も様々に変化していて、改まって振り返ってみると、変わるもの、変わらないもの、新たな発見を感じるものなど色々あって、年の終りのひとときをそんな回想に費やすのも一興となる。

 もう3年余りも県境を越えて遠距離通勤を続けている我がつれ合い殿。月に数回、同じ経路で同じ時刻に往復する電車の車窓から眺める光景は季節の移ろい以外はほぼ変わらないのだろうが、それでも気をつけていると色々気付くことがあって、長時間の車内も退屈しないという。

 【その1】変化を感じた

 秋が深まると野や田んぼを彩るのが真っ赤な彼岸花。いつの間にか、あっという間に一斉に花開き、鮮やかな赤が景色を変える。それがこの1,2年変だという。

 咲いているはずの時期に、咲いているはずの場所に咲いていないことが多く、探せば確かに咲いているのだが数も少なく、景色を変えるほどではない。どうしてそうなったのか、分からない。地球温暖化の影響なのか、まさかコロナウィルスのせいではあるまいが、どうしてなのだろうと首をかしげている。どなたか教えて欲しい。

 【その2】変わりそうで変わらない

 いつの頃からか気付くようになったのが富海駅の少し戸田寄りの山裾にある廃屋。納屋にでも使われていたのだろうか壁もほとんどなく、瓦の置かれた屋根は2つに裂け心細い柱でようやく支えられていて、少し強い風でも吹けば潰れてしまいそうなのだが、毎年台風の季節を過ぎてもいつ見ても変わらず、はらはらしながらも、奇妙な安心感を与えてくれているそうだ。

 【その3】新たな発見

 車窓から見える家々の屋根に太陽光パネルが見える。再生可能エネルギーのエースを最も身近に見る光景だ。その数を動く車窓から素早く数えるのが結構面白く、長い乗車時間のいい暇つぶしになっているようだ。山陽本線沿線はパネルの設置が多く、中でも防府駅周辺は他を圧する数で、数えるのが大変だそうだ。

 なぜか赤瓦の家には設置が少なく、徳山から下関まで7-800数えた中で1軒だけだったそうだ。これもなぜか分からず「今後の研究課題」とのたまっている。

 変わらぬもの、変わったもの車窓を通して様々な光景を目にしながら、自らはまた1つ齢を重ねて確実に変化して今年も終わろうとしている。

(カナダ友好協会代表)

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