2026年06月09日(火)

コラム・エッセイ

体調いいか?

新しい出会いに向けて-この町・あの人・この話- 浅海道子

 「健康第一」がモットーのわがつれ合い。誰かとの話は「今日の体調はいいか?」で始まり、「では、今日も元気に、明日も元気で」で終わる。

 「幸せとは今生きていること」と定義している彼にとって、元気に生きることが大切なことはよく分かるし、誰だってそうだと思うから、ことさら強調してくれなくても口癖くらいに受け取っておけばいいと思っていたが、ご本人に言わせるともっと深い意味があるのだという。

 「元気ということは、自分の体が自分の意志で動かせる状態にあることで、健康というのは定義は難しいが、今の自分ならこれくらいは出来てもいいと思うことを介助がなくても出来る状態と思えばいいだろう。だから、他人から見て病気や障害のある状態でも本人にとっては元気で健康と言える状態もある。そして、元気で健康であることが何よりも大事」と言う。

 「生きている幸せの中では様々な状態がある。うれしいこと悲しいこと、誇らしいこと口惜しいこと、満足できる状態、出来ない状態、色々巡ってくる。満足できる状態にいることが幸せで、不満足な状態が不幸せということではない。幸せに生きている中で満足や不満足に出会っているのだ」。話は長くなりそう。

 「満足な状態はいい。不満足な状態は早く変えたいが、状態は自動的には変わらない」「状態とは何か? 自分の状態とは自分が行動した結果のこと」と、ここでもつれ合い殿の定義が出る。

 「行動するのは自分だから、まず自分が動かなければいけない。そのためには、これくらいは出来てもいいだろうと思うことが出来る健康状態であることが必要。今日の体調はいいか?の第一の意味はこれ」

 そして「体を動かせるだけでは行動は出来ない。どんなに動けばいいのかを示す情報が要る」。情報は自分の周りにあふれている。

 その中からな必要な情報を選んで行動が起こるから、どの情報を選ぶかが行動とその結果の状態変化を起こすのだが、この情報選びが実は体調と密接に関わっているというのがつれ合い殿の経験則。体調の悪いときにはろくなことを考えない。

 ネガティブ思考になる。そんな時、選ぶ情報は行動することやその結果に否定的なものになって、行動しない、行動してもいい結果につながらないと思わせる情報ばかりを集めてしまう。いい情報がないのではない、ポジティブな情報もネガティブな情報も同じように周りにあるのだが、体調の悪いときにはネガティブな情報を選んでしまう。体調のいいときにはポジティブ情報を多く選んでいる。

 そして結果の状態は天と地ほど違ってくる。だから現在の不満な状態を変えたいと思うと自分の体を動かすためにも、行動を決める情報を選ぶためにも体調がいいことが何よりも大事で、状態を変えようとするならまず体調を整えることから始めるべき、それが健康第一の本意だと言う。この話まだ後編がありそうな予感。

(カナダ友好協会代表)

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