2026年06月08日(月)

コラム・エッセイ

事業継承の悩みは

九内庸志のENJOY SHUNAN LIFE

 ある統計によりますと、ベンチャー企業の存続率は設立して3年で65%、10年で6.3%、20年で0.39%、30年では0.025%だそうです。創業からわずか10年の間に9割近くは消えるということです。創業から30年も経つと、99%は存続出来ていないことになります。新たな価値を生もうと意気込んで創業した新分野へのチャレンジの現実がいかに厳しいかと言うことだと思います。

 そしてまた、世の中の企業の後継者不在率は53.9%だそうです。世の中の企業、商店のほとんどは中小零細です。つまりそう言う企業が存続していかないと経済発展はあり得ないし、特に地方経済は地域内取引で成り立っていると思います。ここで私が言っているのはとりわけ小さなBtoB(Business to Business=企業間取引) やBtoC(Business to Customer=消費者との取引)、これこそが活発に行われることが求められるのではないかと言うことです。

 事業の存続に大きな意味を持つのは、資金繰りがうまく回り続けることであったり、後継者問題がクリアになることであったりします。特に地方においては、人口減、若者の県外流出などという傾向が後継者問題の要因になっていることもあると思います。山口県、あるいは周南地域に魅力がなければ後継者になる可能性がある人は県外に出てしまい帰って来ない、つまりは永続企業は減っていくと言うことです。

 私も現在その後継者問題に直面しています。この4月に創業から92周年を迎えましたが、いずれは事業を誰かにバトンタッチしなくてはなりません。実は私自身、山口県倫理法人会で後継者育成のためのカリキュラム(後継者倫理塾)の塾長を仰せつかっています。約1年かけて、経営とは何か? 実務で必要なこと、組織・チームビルディング、目標の立て方、達成について(アファメーション)、創業の想い、継承の想い、あいさつ、マナーなどさまざまな角度から経営について、事業承継について学ぶ塾です。

 前回参加した塾生から、「心が決まってなかった。」「学ぶことは多いけれども、身に付く実感とともに、自分への期待、責任、やりがいを感じることができた。」などの声を頂いていますが、大事なことは、エネルギーの源が、自社愛、地元愛、郷土愛、なのではないかと言うことです。

 伝える側が背中で見せると言うことができないと、見る側からは、この会社に、地元に、夢も希望もなくなってしまう、これは当たり前と言えば当たり前かもしれませんが。学ぶ場所(大学等)、働く場所、遊ぶところ、子供を育てるところなど、魅力ある街は誰かが作ってくれるものではないと思います。自然豊かで気候も温暖、人が優しく温厚なわが街、誇りを持って次世代に伝えていく。私が伝えられること、出来ることに全力で取り組んで行きたいと思います。

(おわり)

株式会社クナイホールディングス 代表

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