コラム・エッセイ
No.62 農村の希望(2)「自然農法」3
中須里山通信 形岡 瑛福岡正信は、1913年(大正2年)愛媛県伊予市のミカン農家の生まれ。岐阜高等農学校卒後、横浜税関植物検査課に勤務、輸入植物の検疫、輸出する植物の病害虫の検査に従事、植物病理の研究をしていたが、過労のため急性肺炎となり療養中に孤独と死の恐怖に直面した。その後、精神的苦悩で放浪したあと一事帰農した後、高知県農業試験場に勤務、いうところの「科学農法」の指導に当たり、「科学農法」の利点にも弊害についても熟知している。批判はその上に立ってのものだ。
「科学農法」の基礎は「分析」である。リービッヒは植物に必要な養分を分析によって明らかにした。窒素、リン酸、カリウム、マグネシウム、鉄など。それらの養分の中で一番少ないものがあると、それで生育が限界づけられ、収量が致命的になるという、いわゆる「養分最小律」の法則を提唱した。
化学肥料と農薬を使用する慣行栽培であれ、有機農業であれ、足りないものを確認し、足していく「科学農法」の基礎となっている。
分析は科学の出発点だが、その分析は部分的であり完全なものとはなり得ないという人間の知の限界のなかに止まるもので、「動植物や微生物の有機的連鎖関係をもった共同体」(*)の極一部分に過ぎない。
足らないとされる養分も他の養分と相関関係の元にあり、その不足の原因が他の養分の過剰による場合もある。また、収量を上げようと思って窒素分を足すと見かけで穂が大きくなっても、作物が弱くなり実入りが悪くなったりする(**)。
肝心なのは、土壌環境、気象などとのバランスであり、それを適切に保つには自然と向き合い、自然に学ぶしかないのだ。
(*)『自然農法』春秋社 p20
(**)同前 p155
ホトケノザに取り囲まれているホウレンソウ。
作物と雑草の共生がよくわかる。
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