2026年05月29日(金)

コラム・エッセイ

No.12 お花見三昧

美人薄命 走れ!おばさん 中村光子

 はずせない所用のため、久し振りに外出した。そのついでに、文化会館に続く桜並木を通り抜けた。桜はまだ3分咲きであった。

 2日後、市内を流れる東川の河川敷を散歩したら、桜はもう8分咲きだ。この咲きようなら、夜桜も見ごたえがあるだろうと、2度目の散歩に出た。

 ぼんぼりに映える夜桜、それも年に1度だ。期待に足も早まる。ところが、ぼんぼりには灯がはいらず、桜も寂しそうであった。

 ならば、と私もしつこい。次の日、桜馬場通りから総合庁舎横を散策した。桜は丁度見頃で、散歩するひとたちも、車道に出て、カメラを向けたり、眺めたり…日本人は、やっぱり桜が好きだ。

 私は例年の行事である行為、それは、桜の大樹を両手で抱きしめ耳を樹肌につけて、水脈(みお)、水の流れを聴くことだが、今年は聴こえない…のだ。身体の衰えを知るのはこんな時だ。

 3月28日(日)防府の奥、鈴屋の宇佐八幡宮へ桜とシャクナゲを見に行った。そこへは去年初めて娘と行った。その時は、桜とシャクナゲが程よく咲き競っていた。桜は満開を少し過ぎてはいたが…。

 そして今年は4人で出かけたのだ。

 前日の夜から降りだした豪雨は、朝になっても止まなかったが、桜見学は前から計画を立てていたので、雨天決行だ。

 富海在住のK女史を迎えに立ち寄った。美人の2人のお孫さんが来ていて、今日の花見弁当を作ってくれたと、祖母のK女史が言った。だが、雨の中で弁当を開くことは出来ないので、K女史宅で食べることになった。

 ホホホ、ホウ。具沢山の可愛いおむすび、ハート型の卵焼き、エビフライ等が上手に詰め合せてあり一同感激。美味しいを何度も言って、一粒のめしつぶも残さず、完食した。

 常日頃の4人のおこないの良さを知っている神のなせる業か、宇佐八幡に到着した時は雨は止み、やがて青空が広がったのである。

 境内には、我々4人の外、ひとりの男性のみであった。神殿に続く長い参道の両側の桜並木の枝々は互いに交差して桜トンネルを作り、我々を歓迎した。見事な花、などと月並みな言葉を発すると、桜は散るのではないか、と心配するほどの咲きっぷりだ。

 反して、シャクナゲはつぼみも堅く、中には少し色づいているのもあったが…雨上がりの滴を静かに受け止めていた。

 爛漫の桜と咲く日を待つシャクナゲに思いを馳せながら「また、見に来ます」と約束し神社をあとにした。

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