コラム・エッセイ
No.32 我が家で100歳体操、はじまりはじまり
美人薄命 走れ!おばさん 中村光子ある日、有楽町の自治会長と福祉委員の訪問を受けた。
「健康増進のために、100歳体操というのをやっています。その会場に、2階の広間を貸して下さいませんか」
「どうぞ、どうぞ、時々、空手の稽古に使用していますが、ご自由にご使用下さい」
と、申し上げた。持参された書面には「駅西エリア100歳体操・立ちあげのお知らせ」と書いてあった。
100歳の方が2階に上がれるかなあと心配したが、杞憂に終わった。年齢に関係なく、皆さんご一緒に楽しく体操しよう、という主旨だ。
そして先日、第1回目の100歳体操が開かれた。友人に声をかけたら3人参加してくれた。
会の始まる前に「会場を貸して下さる家主さん、ひとことどうぞ」と言われた。が、私はその時全く違うことを考えていたのだ。
それは、会の前日、魚屋さんのI氏とばったり出合ったのだ。
「病気されたそうね」
「おかげ様で、元気になりました」
と言われたことを嬉しく思い出していた。魚屋I氏は有楽町から少し離れた所で、魚屋と食堂を営んでおられる。魚屋さんの作る料理だから、生きのよい魚と総菜で、しかも料金も手頃なのだ。周辺のビジネスホテルの宿泊客で大賑わいだ。
前置きが長くなった。突然の指名に、私はあわてて立ちあがった。
「おはようございます(と、言ったかなあ)家主の中村です。昨年の暮れに、魚屋を廃業あ、間違えました。洋服屋を廃業して、遊び場にしました。近くにこられた時は、休憩にお立ち寄り下さいませ。美味しいコーヒーを入れて差し上げます」
あわてて言い直したが、皆さんのくすくす笑いに、大いに照れてしまった…のです。
100歳体操は、とても良く考案されていて、最初の軽くやさしい準備体操から、徐々にハードな運動に移行する。指導される福祉課の若い女性は、やさしくて親切だ。
100歳体操だから、年配者のことを考えて、やさしい体操だと、高をくくっていた私は、大いに反省した。わずか1時間足らずの体操であったが、身体も心も優しくほぐされた。
実は、2階の広間には、冷房設備も暖房設備もない。何しろ貧乏ですから、古い建物だが、皆さんのお役に少しでもたてば…よい。
誰でも気軽に参加出来て、持参するものもなく、普段着でどうぞと、書いてある。もちろん無料です。
有楽町界隈の皆さん方、どうぞ、少し汚いけれど掃除はしてあります。ご一緒に楽しく体操をいたしましょう。
