2026年07月23日(木)

コラム・エッセイ

No.33 パラリンピック終幕の日

美人薄命 走れ!おばさん 中村光子

 東京2020のオリンピックに続いて、パラリンピックも、9月5日に閉幕した。パラリンピックで貰った感動を書きたい。オリンピックの各種目競技は、感動のため息と称賛の外ない。優れた運動神経を持った選手が、更に、努力研鑚を積み重ねて、素晴らしい結果を得たのだ。

 だが、パラリンピック出場の選手は、障害を持って生まれたひと、五体満足に生まれたが、成長の過程で、病気や怪我や事故等々で、身体の一部分が欠損したりで、多くのひとは失意のどん底を体験したのだ。

 やがて、彼らは、痛み・苦しみ・不自由さ等の困難を克服して立ち上がった。その苦難の道程は、平凡に生きている私には想像に難い。パラリンピック4400人の選手は、各自の個性・能力・気力で限界に挑んだ。

 彼らは言う。

 “それぞれ自分の持っている多様性を認め合い、尊重することで、おたがいに、想い合うことが出来るのだ…”と。

 パラリンピック最終日のメーンイベント、視覚障害女子マラソンに出場した、道下美里の力走を、テレビの前に正座して見た。下関市出身で身びいきもあったが、若いと思い込んでいた道下が44才と知って大いに驚いた。

 前半の伴走者、青山由佳さんと息の合った走りは、安心して見ることが出来た。そして、後半の伴走者、志田淳氏が2人の背後から静かに伴走テープ(?)を受け取ってから、走りに加速がついた。時々、志田氏は笑顔で道下に声をかける。道下がそれに答える。

 どんなアドバイスかなあー。いらん、お節介だがー。そのたびに道下の足どりは軽快になる。見ている私も気がつくと、道下の呼吸に合わせていた。

 マラソン途中は雨模様であったが、ゴール近くには雨は止み、雲間から太陽も顔を出し、道下を応援していた。

 “長い間の念願が叶ったのは、自分の努力だけではない。支えて貰った沢山の仲間に感謝したい”

 勝者の言葉は謙虚だ。

 次の日のテレビ出演で語った言葉にも“さすが”と、うなった。

 「目が不自由で、ひとりで出来ないことは2人で、2人で出来ないことは3人で…と無限大の可能性を感じて欲しい」

 無観客ながら、沢山のひとに感動を与えたパラリンピックは、静かに幕を降ろした。

 海浜公園前の海の船上に設置された、モニュメント、パラリンピックのシンボル、赤・青・緑のスリーアギトスは撤去され、パラリンピックは終わった。

LINEで送る
一覧に戻る
今日の紙面
山口コーウン株式会社

「安全で 安心して 長く勤められる会社」をスローガンに、東ソー株式会社等の化学製品を安全かつ確実にお届けしています。安全輸送の実績でゴールドGマーク認定を受け、従業員が安心して働ける環境と「15の福利厚生」で従業員の人生に寄り添っています。

ピアレックス

遺品整理でお困りではないですか?県内出張見積は無料!不動産売却や空き家じまい(解体)もお気軽にお問い合わせください。

周南公立大学

2024年春、周南公立大学は新学部学科を開設しました。経済経営学部(経済経営学科)、人間健康科学部(スポーツ健康科学科・看護学科・福祉学科)、情報科学部(情報科学科)の3学部5学科体制となりました。大学の活動や入試情報も随時公開中!

株式会社トクヤマ

トクヤマは、電子材料・ライフサイエンス・環境事業・化成品・セメントの各分野で、もっと幸せな未来をつくる価値創造型企業です。