コラム・エッセイ
No.36 なんと・プレミアム食事券があたったあー
美人薄命 走れ!おばさん 中村光子有楽町の片隅で、約60年ばかり、吹けば飛ぶような洋服屋を営んできた。ここ数年の間に、大手のスーパーマーケットの進出で、小売店は立ちゆかなくなり、次々と、廃業の憂き目にあった。我が店も右へならえだ。
子供たちはそれぞれ何とか独立しているし、私の命もあと、10年とは持つまい。質素倹約には慣れているので何とか食べることが出来ればよい。
何とも哀しい内輪話だが、こんなことを書く年齢になったのだ。
親切なS夫妻が、毎週水曜日に、温泉へ誘って下さる。私のこれまでの暮らしにはなかったことだ。
約1時間ばかりの入浴だが、帰りの車の中で、S氏は必ず「ああいいお湯だった」と言われる。私も心からそう思う。1週間分の垢を落し、身も心も軽やかになる。
S夫妻は物知り博士で、世情に疎い私は、いろいろ助けてもらっている。先日“がんばろう周南プレミアム食事券”が当たるという広告が出ていたので、あなたの分も、葉書を出しておきましたよ、と言われた。
何、何と、くじ運の悪い私に、その利用券が当たったのだが、私はその券の使用法を知らない。
書きながら、思い出したことがある。プレミア券より前に“周南市高齢者バス・タクシー運賃助成券”なるものも、教えて貰った。
コロナ禍で、不要不急の外出を控えているから、タクシーを使用することもないと思っていたが、戴けるものは何でもと、恐る恐る市役所へ行ったら、優しく応対して下さっていとも簡単に手に入った。24枚。令和4年3月末まで使用出来ると書いてあるが、友人や娘の車に便乗することで事足りるので、もしかしたら、宝の持ち腐れになるかも知れないが、強欲な私はしっかり握って離さない。
話をもとへ戻して『がんばろう周南!プレミアム食事券』の参加店舗一覧表をみたが、外食をあまりしたことのない私には、行ける店が、と言うより知っている店がない。果たして、利用出来るのであろうか。
内弁慶の私は、家では大威張りだが、外では借りてきた猫のような態度だ。つ、つまり変なところで格好をつけてしまうのだ。
仲良しになると、調子に乗り、百年の知己のように振まってしまう嫌いがある。
我ながら困った性格だが、よし、これを機会に、お世話になっている、友人知人、そして娘にも、大盤振る舞いするぞ、と秘かに誓っているが、さて、どうなることやら…。
