コラム・エッセイ
No.49 た・只今・様子見中…です
美人薄命 走れ!おばさん 中村光子沖縄・山口・広島の3県は「まん延防止等重点措置」の適用を受けているので、外出を控えている。この機、とばかり、せっせと断捨離に精を出している。と言えば聞こえはいいが、根が貧乏性、いやケチな性分で、物が捨てられず、出るのは溜め息ばかりだ。
そんな折、同級生の仲良し3人組のふたりから電話がかかった。
「ふたりで相談したんだけれど、昼食会してコロナふっとばそうじゃないの」
考えて見ると、長い間合っていない。声を聞いて無性に合いたくなった。3人は国内や海外旅行をしたり、ちょっとした勉強会をしたりの長い付き合いだ。
「マスクすれば大丈夫よ。声を聞いたら合いたくなったわ」
と、昼食会をすることになった。いつものように、食べ物はそれぞれの持ち寄りだ。
何しろ、長い間合っていなかったので、おしゃべりは止まらない。私は近況を話しているうちに喉が渇き、ひと口水をのんだ。ら、その隙に、友人が話を取ってしまった。
「主人ったらね、湯タンポの用意してくれるの。こんなに早くからするとお湯が冷めるから、余計なことしないで、と言ったら、台所の流しにお湯をすててしまったのよ、もう」
「あら、湯タンポの用意してくれるなんて、やさしいご主人なのね。我が家じゃ、夫は2階で寝るの。私は階下なので、おたがい、いつ寝たのか、知らないのよ。用事があっても、何を聞いても忘れた、知らんと、話相手になってくれないのよ。あっ、話、かわるけど、このお魚おいしいでしょ。どいしても、おふたりに食べさせたくってね。ね、美味しいでしょ。さあ、食べて、食べてちょうだいよ」
と、友人は目を細めて、我々を見た。
「あのうー、さっきの続きなんだけれどね、あれー、私、何を話していたんだったっけ?」
こ、これは私、話を元に戻そうとするのだが…思い出せない。3人寄れば文殊の知恵ということわざがあるじゃない…。
晩期高齢者の部に突入した3人は、ひとの話に耳を傾ける余裕などなく、いや、聞く耳など持たず、相手が息継ぎする合間に、割り込もうと、チャンスを狙っているのだ。
そうこうする内に、時間はあっという間に過ぎてしまう。
「今日は楽しかったわ。又、合いましょう」
で、会はお開きだ。
夕方、所用で来た友人にその話をしたら
「オミクロンに感染したらどうするの」
「この通り、元気よ」
「2、3日、様子を見なくっちゃわからないよ」
ですって…。
