コラム・エッセイ
No.56 はじめて見た航空ショウ
美人薄命 走れ!おばさん 中村光子3月17日(木)は航空自衛隊・防府北基地・第76期航空学生の卒業式だった。
週2度、温泉に連れて行って貰っているS夫妻のご子息は、宮崎の自衛隊勤務の自衛官だ。この度、防府北基地の卒業パレードに息子が参加するのですが、見学しに行きませんか、とS夫妻に誘われた。うれしい私は1も2もなく同行した。
私たちが防府北基地に到着した時は、すでに基地周辺の田んぼのあぜ道は、カメラを抱えた人々であふれていた。
S夫妻のご子息は、F-15戦闘機の隊長だ。去年、里帰りされた時、我が家へ立ち寄られた。両親も美男美女…ではあるが、ご子息はすらりとした背と立派な体格で、両親も叶わぬほどの美男子だった。
私はこの歳になって神様は、不平等もされるのだと、思い知った。神はご子息に、二物も三物もお与えになるほどの“美男子”私は見惚れて、言葉もなかった。
話が横道にそれてしまったではないか!
防府北基地に集結したのは、福岡県の芦屋・築城、宮崎県の新田原、遠方からは宮城県の松島基地から、曲技飛行を行うブルーインパルスがお祝いにやってきた。
そして、いよいよ、航空ショウのはじまり、はじまりィ
4機が噴煙をあげながら、一糸乱れることなく、飛行する練習機。並んで飛びながら、くるくると機体をまわし、急上昇したり、急降下したり…その技に観客は思わず、のけぞったり、奇声を発したり…と。
見物客(?)も10人10色。戦闘機を追い続けながら激写するひと、猛スピードに機体を追えないカメラ…マン、私のように、口をあんぐりとあけたままの呆け顔で眺めている者…。
息つく間もない航空ショウの下を、パトカーが走りながら忠告する。「この辺りは、駐車禁止です。路上駐車をしているひとは、すみやかに移動して下さい」
アナウンスを繰り返しながら、周辺を何度もパトロールする。
航空ショウの爆音に負けてはいけん、と雲雀(ひばり)が、ちちち、ちちちと飛んでいるのも可愛い。まったく、天空も地面も、立ち位置はそれぞれ違うが忙しい。
そうこうしている内に航空ショウは終わった。私の横にパトカーが止まった時の、おまわりさんたちの会話。
「どうやら、終わったようだ。引きあげだ」
パトカーは忠告だけで任務を果たし…た。
S夫妻に誘われなかったら、航空ショウなど知らなかったろう。
われわれの日々の暮らしが、知らない所で守られている…と、実感した1日でもあった。
