2026年07月17日(金)

コラム・エッセイ

又 如月(二)

随想 季節の中で 西﨑博史(周南文化協会会長)

 梅は春を告げる花です。梅から桃、桜へと季節は移ります。薄紫色の香菫(においすみれ)、寒菖蒲(かんあやめ)も咲き始めて春への気分を高めてくれます。2月もあと2日を残すだけ。いよいよ3月。弥生です。

 受験、卒業、進学、就職。春は人生の岐路に立ちあいます。「十五の春」は中学校から高校へ。今では高校受験の試練を指しますが、かつては中学校を卒業して就職する人も多かったです。集団就職の列車で大阪や東京などの都会へ。希望を胸にしながらもふるさとを離れる寂しさはどれほどだったでしょう。東北の人は井沢八郎の「あゝ上野駅」(昭和39年)に励まされたと言います。

 人生の節目は自分を見つめる時でもあります。何がしたいのか、何をすればよいのか。自分を生かす道はどこにあるのか。自らに問いかけます。「十五の春」では人生経験が少なく、社会の姿がよく見えません。迷いながら自らの道を模索せざるを得ません。

 どうしてなのか。なぜそうなるのかな。不思議がる心が大切だと徳山出身の詩人まど・みちおさんから聞いたことがあります。不思議に思う気持ちが宇宙の謎を解き明かしていきます。まどさんの詩の原点がここにあります。植物も動物も人間もみんな対等です。石っころや塵(ちり)、埃(ほこり)までも同じように宇宙に存在していることに温かい視線を投げかけます。

 まずは好きなことを見つける。そこから世界が広がります。好奇心を持てばいろんなことを知ります。辛いことも好きであれば頑張れます。若い人にはまず一歩を踏み出して挑戦してほしいと思います。

 野に出れば人みなやさし桃の花  高野 素十

 あかりをつけましょ ぼんぼりに
 お花をあげましょ 桃の花
 五人ばやしの 笛太鼓
 今日はたのしい ひな祭り

 昭和10年(1935)に作られた「うれしいひな祭り」。サトウハチロー作詞、河村光陽作曲。90年以上も歌われてきました。この季節になると春の風に乗ってあちらこちらから聴こえてきます。

 3月1日から児玉神社社務所と児玉源太郎顕彰会事務所が新たにオープンします。参拝の折に御札や御朱印などを授与、顕彰会の会報『藤園』も求めることができます。開設記念として1日午前10時から午後2時までお祝いの行事をします。梅茶の接待や紅白餅の配布(先着200個)。源太郎の生涯もお話しします。どうぞお出かけください。

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