コラム・エッセイ
関係人口
翠流▼周南市がシティプロモーション事業で「関係人口100万人構想」を打ち出した。先日、島根県を拠点にするローカルジャーリストで「関係人口」の研究者でもある田中輝美さんの講演会が徳山大学で開かれたが、示唆に富む内容だった。
▼関係人口は定住人口でも観光などの交流人口でもない、その中間の人たち。例えばイベントであればスタッフとして継続して関係性を持つ人たち。人口減少が続く中で注目されるようになった概念だ。
▼人口減少が激しい地域ではどうやって地域を維持するか、考えた時、関心を持ってくれる人や出身者など定住者以外の人に頼ることが有力な選択肢になる。市内でも以前から農業体験の受け入れなどがあり、大津島では出身者や島に魅力を感じたさまざまな立場の“応援団〟が活動している。
▼田中さんの講演で印象に残ったのが、定住を期待しないこと、人数ではなくその関係性がポイントということ。何度もその地域を訪れるうちに定住につながることもあるが、定住を期待すると関係の維持が難しくなる。人数で評価すると交流人口と活動内容が少し変わっただけになりそうだ。
▼広く考えれば、出身者や市内で働いたことのある人、近隣の市町からの通学、通勤者、大学や専門学校の卒業生、萌えサミットなどイベントの関係者など幅を広げることもできる。
▼同時に周南市民もどこかの市町村の関係人口であることに気づく。「関係人口」がこれからの日本の在り方を変えることになるかも知れない。(延安)
