コラム・エッセイ
校則のない学校
翠流▼「校則のない学校」。周南市の須金中学校の教育についてまとめた本だ。発行は1991年。この年、須磨小と併設の新校舎が完成した。須金ふるさと教育研究会(中原和昭会長)発行。小学校と合わせて9年間の、須金ならではの自然と産業を生かした独特の教育の成果がつづられている。
▼この本のことを思い出したのは、34年目となった須金産の巨峰のワインが今年の販売で最後になるため。この本にも「幻の特産品『巨峰ワイン』」として紹介されている。89年5月に出来上がった最初の8千本は発売から3週間で完売。翌年の1万6千本も完売して酒販店の店頭には1週間しか並ばず、「幻の特産品」になったという。
▼校長だった梅田馨氏を中心に同校が復活に大きな役割を果たした須金和紙や、須金茶の栽培・収穫、ホタル、つり橋、雲海、須金瓦など地域の魅力が紹介されている。
▼タイの農村の子どもたちとの国際交流、海の学校、大津島中との交流、全校劇「夕鶴」が地域のお年寄りを感激させた文化祭、地域ぐるみの運動会、ハンドボール部の活躍など、全校生22人の生徒と教員が一緒になって取り組む熱気が伝わってくる。
▼30年前、千人足らずだった須金の人口は3月末で189世帯、294人。しかし、巨峰のふるさと、須金フルーツランドでは世代交代が進み、巨峰以外の品種の栽培やワインに代わる新商品も開発されつつあるという。いつまでも以前と同じく、目が離せない元気な地域であってほしい。(延安)
