コラム・エッセイ
先進事例
翠流▼周南市の前市長の市政方針で少子化対策プロジェクトのスローガンは「子育てするなら周南市」だった。藤井市長になって「安心して生み、育てるなら周南市」と言うようになった。「安心して生み」を加えただけだが、時代が変わろうとしていると感じた。
▼周南市では新市建設計画に基づき、合併特例債を活用、旧市町時代から積み残していた課題のいくつかを解決することができた16年間だったが、合併特例債などの特例はもうない。一方で財政難、少子化が大きな課題となっている。ハード面の整備から心の豊かさへ、政策の重心を移さざるを得ない。
▼新市長ということもあり、その道筋が見えてくるのはこれから。会派質問の答弁も方向性は示しても具体的な内容は調査、検討中というものが目立った。
▼これは周南市だけの問題ではないかもしれない。周南市の合併は平成の合併の先駆けとなった。周南市に遅れて合併した全国の都市も間もなく特例措置がなくなる。財政的に余裕のある都市、人口が増えている都市は少ない。財政難、少子化の中で新たな方向性と具体策が必要になる。
▼行政では新しい政策の導入は「先進事例」を調べることから始まるようだが、平成の合併に関しては周南市が「先進事例」。周南市が創った政策が全国に広がる。「安心して生み、育てること」が全国どこでも可能になれば日本の人口減少にも出口が見えてくる。政策形成の過程も含めて情報公開、全国への発信を望みたい。
(延安)
