コラム・エッセイ
中ホール建設
翠流▼周南市文化会館は公演などの内容、観客の質、利用率でも日本でも有数の公立ホールであることはよく知られている。こうなった要因の一つは世界中のオーケストラや演奏家が絶賛するというホールなどの施設が優れていることに加え、開館当初から市文化振興財団を設立して専門の職員を育て、同時に会員制度を導入して観客を確保してきたことがある。演じる、観る、運営するそれぞれの立場の3者が力を発揮することができる仕組みを構築できたことで今日がある。
▼先日、大女優、栗原小巻さんが市役所を訪れて演劇用の中ホール建設を周南市民劇場のメンバーと一緒に要望した。市民の念願となっている中ホールだが、現実は逆に市民館は撤去された。学び・交流プラザの多目的ホールや新南陽ふれあいセンター、熊毛地区のサンウイング熊毛とホールは各地区にあるが、演劇専用のホールとはなっていない。
▼本当に使い勝手のよい施設にするには建物と並行して運営主体や観客のことまで考えなければならない。中心になる市には将来の文化振興につなげるための仕組みを構想し、実現するだけの見識が求められる。
▼さらに複雑化した現代社会で将来に向けて展開するためには複眼的な見方も欠かせない。それは市にだけ任せておくのでなく、民間の立場から提言することや、一緒になって調査、研究、さらには運営の一端を担うことも大切。要望する側、される側ではなく一緒に造る関係づくりから取り組みたい。
(延安)
