コラム・エッセイ
ホタル乱舞の季節
翠流▼8日夕、周南市北部の鹿野の豊鹿里パークでほたるの夕べコンサートが開かれた。前日は土砂災害警戒警報が出るほどの大雨。鹿野地区には避難勧告が出され、市災害対策本部が設置された。この日は天候が回復してにぎわった。
▼一時は姿を見ることが少なくなっていたホタルだが、最近では街中の川でも観察できるようになった。川の浄化や養殖などの努力の成果だろうか。
▼ホタルが人を引き付けるのは、乱舞する幻想的な光景に加え、この時季しか見ることができないためでもある。
▼和田、鹿野、大道理、大潮、中須、須金とホタルのイベントが開かれているところは商工業の衰退、人口減少、農地の荒廃などに悩む地域。その中で地元の人たちが懸命に開いているイベント。ほたるの夕べでは箱のふたを開くと光が飛び出す光景で参加者を楽しませようと、前日、大雨の中で捕獲したホタルが放たれた。
▼ホタルの乱舞が見られるのはわずかの期間だが、ホタルはそのほかの季節も子孫を残し幼虫として生き延び、さなぎを経て夏になると再び成虫となって人の目に触れる。
▼地域づくりも同じこと。話題になるのはイベントなどの時だけだが、田畑を守り、地域を維持するためには年間を通じて地道な営みが欠かせない。地域づくりや災害時も自助、共助、公助という考え方は大切だが、自助、共助が十分に機能できない厳しい現実もあることを忘れてはならない。
(延安)
