コラム・エッセイ
映画「台湾萬歳」
翠流▼周南では昨年10月、下松市のMOVIX周南で1日だけ上映された酒井充子監督のドキュメンタリー映画「台湾萬歳」が13日に周南市鹿野の漢陽寺、14日に出身地の三丘の三丘小で住民有志の団体が開く三丘縁日で上映されることになった。
▼連続上映は二つの地域が相談して決めたわけではない。鹿野は漢陽寺にある重森三玲の庭の映像を制作するにあたって酒井さんに依頼した縁から、庭の特設スクリーンに映すことになった。
▼「台湾萬歳」の舞台は台湾の台東県。アミ族、ブヌン族、タオ族など多様な民族が暮らしている。撮影した成功鎮は人口1万5千人の町だが、原住民と漢民族系の人たちがほぼ半分ずつ。海と山に囲まれ、映画でも漁業や山での狩り、農業などの様子が登場する。その暮らしの中心には「祈り」「命への感謝」「家族」があるという。
▼鹿野、三丘とも都市部ではない。三丘は島田川が流れ、先日の豪雨では、はんらんして大きな被害を出した。鹿野も豪雨や冬は大雪もある地域。豊かな自然に囲まれていれば、その恵みとともに脅威と向かいあってきた歴史もある。台東県と通じるものがあるかもしれない。
▼今回の上映は、いずれも放置しておけば人口減少が続く一方の地域を持続、発展させていこうという市民活動がきっかけ。両会場とも酒井監督のトークがある。台湾の人たちの暮らしに寄り添うように撮影してきた酒井監督の姿勢から感じることも多いのではないだろうか。上映会が楽しみだ。
(延安)
