コラム・エッセイ
幕末、明治の世界
翠流▼周南市美術博物館で開かれている「周南の近代を彩った人たち〜周南人物伝7“明治維新150年と児玉源太郎”」を訪れて、実物を見ることは大切だと改めて感じた。
▼同館所蔵の幕末、明治維新関係の古文書や絵画などを展示しているが、吉田松陰が松浦松洞に描かせて自ら賛を書いた肖像画、明治維新を見ずに病に倒れた高杉晋作の書などが並ぶ。
▼児玉源太郎関係では義兄が殺害されて断絶していた家名の復活を意味する「児玉次郎彦儀御赦免仰付」「家督相続願書」「児玉源太郎への家督相続仰付」「練兵塾入塾仰付」「朝気隊加入仰付」、徳山藩内の正義派と俗論派の争いのあとに藩士が署名した「志士血盟書」などが並ぶ。
▼どの資料からも幕末の動乱の中で時には激流にのまれそうになりながらも正しく生きようとする当時の人たちの懸命な姿が浮かんでくる。
▼徳山出身の写真家、林忠彦の「若き修羅たちの里〜長州路」の作品も掲げられている。「松下村塾」「小郡から萩への街道」や「旧藩庁大手門」「山口市鋳銭司 大村神社」などが当時を想像する手助けとなる。
▼この展覧会は24日までと期間は短いが、周南市では明治150年記念の中心となる事業。朝倉南陵、朝倉震陵、小田海僊、大庭学僊、森寛斎の日本画の大作も見応えがあるが、展示品の説明や会場で配られている解説シートを読みながら、古文書などを当時の人たちがどんな気持ちで書き、手にしたかなど幕末、明治の世界に浸って、じっくりと見て回りたい。
(延安)
