2026年05月01日(金)

コラム・エッセイ

「本気の夏」

翠流

▼第100回の夏の甲子園大会が5日、開幕した。選手宣誓では滋賀県代表の近江高の中尾雄斗主将が、野球ができることへの感謝とともに大会のキャッチフレーズでもある「本気の夏」にすると誓った。

▼太平洋戦争末期の特攻作戦を題材にしたドラマや映画では野球をしていた若者がよく登場する。戦前から野球は国民的に人気のスポーツ。そのため戦後、甲子園が再開されるとラジオ、新聞、テレビも加わってその試合の様子やネット裏、学校のことまで詳しく伝え、視聴者、読者はわがことのように思い、声援を送った。

▼日刊新周南創刊後では周南から南陽工、光、徳山、桜ケ丘、華陵高が甲子園に出場、地域全体で声援が送られ、客席が大応援団で埋まった甲子園でも取材した。

▼翌6日は広島、きょう9日は長崎に原爆が投下された日、15日は終戦の日。戦争が日本、相手国と周辺の国々にもたらした悲惨さ、苦しみや悲しみは時間の経過とともに体験者も減って少しずつ薄れているようにも見えるが、各地で戦争体験を語り継ごうと懸命な努力がなされている。

▼過去だけではない。戦争は少しずつ準備され、ある日、発火する。山口県は陸上、海上、航空自衛隊と米軍の基地があり、岩国市では沖合移設のあと米軍基地が強化された。萩市、阿武町では自衛隊の大陸間弾道ミサイルを迎撃するシステム、陸上イージスの設置候補地になり、地元から反対の声も出ている。

▼岩国、萩市で何が進められているか、まず知ろうとすること、そして声をあげることが大切ではないだろうか。平和に対しても「本気の夏」でありたい。

(延安)

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