2026年05月01日(金)

コラム・エッセイ

毛利敬親

翠流

▼明治150年の今年、幕末の長州藩主、毛利敬親(1819―71)が注目されている。県立美術館では26日まで「激動の幕末長州藩主 毛利敬親」展が開かれた。防府市の毛利博物館では「毛利家の明治維新」の第2回企画展「毛利敬親と戊辰戦争」が9月2日まで開かれている。

▼前年に3人の藩主を相次いで失ったあと藩主になった敬親は度重なる洪水や干ばつで危機的状況にあった藩の財政を建て直し、若い才能を育て、明治という時代へつないだ。

▼この間、公武合体から攘夷論への変更、文久3年(1863)5月10日の攘夷実行、8月18日の政変、翌年7月の禁門の変、4国連合艦隊との下関戦争、幕府による第1次長州征討、禁門の変に出陣した3家老の切腹、12月の高杉晋作の決起、慶応2年(1866)の第2次長州征討(四境戦争)での勝利、復権から戊辰戦争。

▼家臣を失い、心身をすり減らす日々。結果としてその決断が激動の時代に長州藩を守り、討幕を実現させた。

▼周南で敬親ゆかりの地といえば、下松市花岡の御茶屋跡。徳山地方郷土史研究会の「周南小景」の寄せた桶谷勉さんの「春雨(しゅんう)桜のこと」によると、文久元年(1861)、敬親は京に向かう途中に発病、9月22日から10月5日まで滞在した。

▼その間、桜の根元にあるソテツが花の季節に眺めを妨げるのではと側近に伝え、後日、花岡の人たちがソテツを花岡八幡宮に移したという。これを記念する「春雨桜」の碑や四境戦争で使われたと伝わる大砲、御茶屋があったころにあった巨木「花岡御茶屋ノ槙柏(しんぱく)」もある。花岡の敬親の姿も想像してみてほしい。

(延安)

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