コラム・エッセイ
福川のフタヤ
翠流▼周南市新南陽民俗資料展示室の企画展で紹介されていた福川の街中に網の目にように張り巡らされた路地「フタヤ」。早速、少しばかり歩いてみた。
▼説明の通り、幅1メートル足らずのやっと歩けるほどの通りだが、民家の玄関があり、あちこちにほこらも祭られて生活道だったことがうかがえる。
▼展覧会ではこのフタヤと地蔵、荒神社や猿田彦などの石仏、ほこらを写真や地図付きで紹介し、すぐに歩いて見ることができるようにしている。担当者が歩いて見つけた福川の文化、暮らしを伝える手づくり感あふれる好企画だった。
▼ただ資料展示室は現在、閉館中。所蔵している新南陽地区の生活や産業の歴史資料は十分に活用されているとはいえない状態だ。同館だけではない。新南陽総合支所も現在はイオンタウン周南に仮住まい。どこへ行くのか、まだ決まっていない。
▼新南陽駅、福川駅、新南陽球場をこれからどうするのか、新南陽ふれあいセンターの機能、利用方法はこのままでいいのか。合併から15年。副都心と位置付けられる新南陽地区だが、未定事項は少なくない。
▼福川や富田は藩制時代、すでに宿場町などとして栄えていた地。フタヤに見られるように、数百年にわたって住み続ければその足跡が残り、文化も育つ。この“お宝”をさらに育てて、住みよい、住みたくなる、訪れたくなる街にするにはどうすればいいのか。本気で議論することが必要ではないか。
(延安)
