2026年06月26日(金)

コラム・エッセイ

「伸びゆく徳山」

翠流

▼周南市の新庁舎建設に伴い、市役所前にあった重岡健治さん作のブロンズ像「伸びゆく徳山」と河内山賢祐さん作の野村恒造の像が移設された。このうち徳山村長、町長などを務めた野村恒造像は新庁舎完成後、敷地内に戻ってくる。

▼ところが「伸びゆく徳山」は徳山市の「潤いのあるまちづくり」自治大臣表彰の記念で建てられたことから、周南市の新庁舎にはふさわしくないと判断されたのか、県周南総合庁舎そばの徳山高等女学校の記念碑などがある一角に移された。

▼高女の碑の横には笹戸千津子さんの作で、同校の制服を着た少女のブロンズ像「追憶」が置かれているが、「伸びゆく徳山」は少女像と記念碑の間に割って入るように設置されている。作者はこれを知っているのだろうか。

▼重岡さんは世界各地に作品がある著名な彫刻家。静岡県伊東市にアトリエがあり、同市は重岡さんの作品を集めた「なぎさ公園」を開設、ホームページで「彫刻は市民の平和と幸せを希求する姿をシンボル化したものとなっています」と紹介している。

▼重岡さんは中国大陸から引き揚げてきて徳山市に父の生家があったことから櫛浜小に通った。その縁から市役所前にこの彫刻が置かれることになった。子どもを胸に抱いた母親がもう1人の子どもと手をつなぎ、肩にはハトが止まっている。

▼これは引き続き、市役所前に置くか、「徳山」にこだわるのなら、徳山駅前の広場、あるいは徳山動物園周辺など作品にふさわしい地に置くべきではないのか。

(延安)

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