コラム・エッセイ
周南「絆」映画祭
翠流▼周南の市民有志たちで作る実行委員会で運営した周南市の周南「絆」映画祭が2、3日に開かれた。2009年に始まり、最初は11月、最近は5、6月の開催となっている。第1回目は3日間で13本を上映、3千人が来場した。当時はまだテアトル徳山が営業を続けていたが、商店街は衰退傾向。その後、映画館は休館し、近鉄松下百貨店も閉店した。
▼しかし、中心市街地活性化基本計画が策定され、今年3月までの5年間、商店街の再生などを目指した取り組みが続き、2月に図書館などが入る徳山駅前賑わい交流施設がオープンし、駅前再開発計画も浮上している。
▼映画祭の10年はそれ自体が映画になりそうな物語。初代実行委員長は当時、徳山高専の教壇に立ち、現在は山口大学国際総合科学部准教授の小川仁志さん。今も哲学カフェを周南で開いている。
▼資金確保の難しさや実行委員の入れ替わりがあり、継続に危機感を覚えることもあったが、一方で脚本の松田優作賞を開催して受賞作「百円の恋」は足立紳さんの脚本、武正晴さん監督、安藤サクラさん主演で映画化されて大ヒットした。
▼今回は実行委員長の大橋広宣さんが開催前に長期入院したが、6本の映画を上映し、千人が来場。上映作品の監督、脚本家、俳優も訪れた。
▼退院した大橋さんもトークショーの司会で元気な姿を見せて映画の魅力を語り、映画祭を商店街と一緒に発展させ、いつか、ミニシアターでいいから徳山に映画館を復活させたいと話していた。きっと実現する、そんな気持ちにさせる2日間だった。
(延安)
