2026年06月26日(金)

コラム・エッセイ

郷土史研究

翠流

▼周南市の徳山地方郷土史研究会の総会に合わせ、新南陽市史などの編さんに携わった樹下明紀さんの講演会が開かれた。演題は「徳山藩の明治維新」。

▼関門海峡を通過する外国船への砲撃、長州勢が京から追われる8月18日の政変があった文久3年(1863)から明治元年(1868)の北海道、函館の五稜郭の戦いで終わる戊辰戦争までの徳山藩の動きを解説した。

▼その中で、苦心して編さんした各市の市史をもっと読んでほしいと呼びかける一方、徳山藩関係では平田国学と幕末の藩内の争いで、革新、正義派とされる藩士との関係や、藩士と農民なども参加して四境戦争前に編成された山崎隊の詳細など不明な点も少なくないことを指摘。さらに山口県の民権運動の指導者に対する弾圧にもふれ、掘り起こしたい地方史のテーマがたくさんあることを示してもらった。

▼4月には新南陽郷土史会の総会があり、元毛利博物館長の小山良昌さんが「世良修蔵〜その波乱の人生」と題し、周防大島出身で、海防僧、月性に学び、戊辰戦争中、奥羽鎮撫使の参謀をしていて福島で暗殺され、“悪役〟とされている世良の実像を紹介して関心を集めた。

▼明治に改元されて今年で150年。明治、大正、昭和、平成を経て来年は新しい元号になる。今は過去と連続している。歴史を学ぶことは今を知り、未来を考えることになる。

▼地方史の探求は高齢者が中心になりがちだが、若い世代にこそ関心を持ってほしい分野でもある。明治150年を新たな起点に活発な活動を望みたい。

(延安)

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