コラム・エッセイ
ゆるイベント
翠流▼夏を前に暑い日が増えた分、夕方から過ごしやすさを感じることも多くなった。12日夕、周南市の徳山商店街の中央街であったとくやま夢横丁と福川の辰尾神社の境内で開かれた福川ランプフェスタを訪れた。
▼どちらも押し合いへし合いになるほど人でごった返すイベントではない。とくやま夢横丁は空き店舗に日本酒などが立ち飲みできるコーナーが作られ、中央街や周辺の飲食店がいくつか肴となる料理を用意した。訪れた人たちは、年配者には懐かしい、若い世代には新鮮な中央街の昭和の風情をグラスを手に楽しんでいた。
▼福川ランプフェスタも80個のオイルランプの明かりを楽しむイベント。飲食物は移動販売の地元のコーヒー店だけ。ステージなどがあるわけでもない。それでもたくさんの人が訪れ、子どもたちは地面や灯ろう、狛犬(こまいぬ)などにも置かれたランプの明かりの中で遊び、それを家族がほほ笑んで見守った。
▼街には数万人を集客するにぎやかで活力を感じさせる大イベントも必要だが、ゆっくりと過ごせる、静かなイベントもあっていい。周南市が作成して今も配られている「ゆる旅のススメ」という観光パンフレットがある。ゆる旅のルールは①大金をつかわない②疲れるような事はしない③何かを得ようと期待しない④行列のできる店に行かない⑤朝早くから行動しないの5項目。
▼ゆる旅があるからには“ゆるイベント”があっていい。人と人や、今回の場合であれば酒、明かりとの出会いを静かに味わう。街づくりでは、そんな機会も増えてほしい。
(延安)
