コラム・エッセイ
「中世周防国と陶氏」
翠流▼周南市の新南陽郷土史会(菊地光雄会長)が2年間かけて研究した成果をまとめた「中世周防国と陶氏」を出版した。陶氏は新南陽、徳山地域を拠点とした大内氏の重臣だが、戦国時代、毛利氏に滅ぼされたためか、史料が少ない。
▼先日、同会の総会記念講演で講師を務めた毛利博物館顧問の小山良昌さんも「立派な本が出て驚かされた。内容もあり、読み応えがある」と賛えていた。
▼290ぺージもあり、陶氏以前の古代の新南陽地域の様子に始まり、中世の周防国概観、戦乱の時代の大内氏、陶氏の主な戦い、陶氏、大内氏関連の寺院、神社の紹介へと続く。
▼最後の第6章は「ふるさとに残る陶氏の残映」。郷土史の研究グループならではの強みを生かし、長穂の竜文寺などの陶氏ゆかりの文化財、若山城など史跡に関連した伝承、地名などを取り上げている。
▼その中の「平成の富田津に大型船入港」は新南陽港に石炭を積んだパナマックス級の大型貨物船が入港したことを日刊新周南の記事も掲載して紹介。中世に陶氏が富田津(古市港)を繁栄させたことが現代の新南陽港につながっていると解説している。
▼400年近く前に歴史の表舞台から姿を消した陶氏。しかし、この本はその後もこの地方の歴史の底流として陶氏が生き続けていたことを改めて教えてくれる。
▼一冊1,400円で販売もしている。問い合わせは菊地会長(090-3171-6262)、徳王丸康夫さん(090-7372-0775)へ。(延安)
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