コラム・エッセイ
㈱トクヤマ100周年
翠流▼周南市の㈱トクヤマが16日で德山曹達として創立してから100周年を迎える。祝賀行事はない。マレーシアの工場建設で巨額の損失を出した痛手からまだ回復途上。盛大に祝う時期ではないからだという。それでも社名の通り、地元と一体となって歩んできた100年に「おめでとう」、そして「ありがとう」と言いたい。
▼少し前まで、本紙掲載の同社の広告に「山は越えるためにある。」とあった。「幾多の山を越えてきた。そしてこれからも、越えていく」という言葉に力づけられたこともあった。
▼広報誌「あした葉」の1月号は100周年の特集号。「トクヤマの現在・過去・未来を旅しよう。」と題し、会社を“トクヤマ王国〟に見立てて、旅行ガイド風に企業風土や歴史、徳山製造所の事業内容や社員の仕事ぶりなどを紹介している。
▼その最初に創業者、岩井勝次郎の言葉として「常ニ事業ハ艱難(かんなん)ニ成リ、安逸ニ敗ル」とある。この特集号では、終戦から間もないころのGHQ(連合国軍総司令部)の「ソーダ生産再開を許さず」という方針を転換させた蔭山如信第4代社長の渾身の直訴、水銀による徳山湾の公害問題、2009年に発覚した子会社の樹脂サッシの性能偽装の問題を取り上げている。これらの課題を乗り越えて現在の㈱トクヤマがある。
▼最近、掲載している広告も「あたたかく支えられてきました」という感謝の言葉とともに「熱く、前進しつづけてゆきます」と力強い決意が並ぶ。㈱トクヤマの姿勢に共感するのは私だけではないだろう。
(延安)
