コラム・エッセイ
「100倍の密度」
翠流▼大阪市経済戦略局が設置しているクリエイティブネットワークセンター大阪・メビック扇町の堂野智史所長の講演を聴いた。メビック扇町の業務の一つがグラフィックや映像などのクリエイターを訪問し、ホームページなどで紹介すること。クリエイター同士の交流・連携を進め、新たな仕事も生み出されているという。
▼大阪市の中小企業は40万社、クリエイターだけで1万3,000社、20万人。訪問できたのはこの15年で2,645件。すべてのクリエイターを紹介するだけで100年かかりそうだと話していた。
▼周南に目を移せば、商工会議所の加入企業数などから推測すれば、すべての業種を合わせても周南、下松、光市で約4,000社と大阪市の100分の1に過ぎない。
▼しかし、負け惜しみに思われるかもしれないが、企業や店舗、市民団体などを取材している実感から「大阪の百倍の密度で同じことができる」という考えが浮かび、うれしくなった。特定の業種に絞れば百社ていどという業界も多い。3カ月もあれば主要な事業所を回れてしまう。
▼地域の情報を地域に伝え、新たな何かが生まれるお手伝いをすることがわが社の仕事。メビック扇町とも共通の部分がある。世界の企業の大半は中小企業であり、都市も中小都市が圧倒的に多い。
▼この地の取り組みがいつか世界を変えるのではと信じつつ、今年も小さなまちの小さな新聞社だからできることをしていきたい。
(延安)
