コラム・エッセイ
切山歌舞伎
翠流▼昨年12月の下松市のセミナー「星のまちカレッジアフター5インくだまつ」の切山歌舞伎特別公演で、若手が増えていると聞き、郷土芸能にも新しい時代が訪れているのではないかと感じた。11月の周南市和田の三作神楽の奉納でも同じことを聞いていたからだ。
▼なぜ、若い世代や子どもたちが加わるようになったのか。一つは小学校や中学校でふるさと学習として取り組んできた伝承活動の成果。もう一つは伝承されている地域外にも応援を求めるなど、昔からのしきたりを乗り越える動きが出て来たこと。三作神楽では神楽アイドルの募集まであった。
▼切山歌舞伎は県指定文化財、三作神楽は国指定文化財で、今でこそ、伝統を重んじているが、発祥をたどれば、切山歌舞伎は大阪に旅した人が持ち帰ったもの。神楽もどこからか伝わってきたはずで、神社への奉納という形はとっているが、始まったころは最先端の芸能。演じ手は現在のAKB48以上の人気者だったかもしれない。
▼その後も新たな演目を加えるなど進化しながら現在の姿になっていったと推測できる。今年、切山歌舞伎は50年ぶりに「寿式三番叟」の演目を復活させたが、古文書などのほか兵庫県の播州歌舞伎を参考にしたという。
▼地域が中心であることは今も変わらないが、保存会を中心に多くの人が参加できる開かれた活動とすることで、和田でも切山でもコミュニティー活動の活発化にもプラスになっている。最近のうれしいニュースの一つだった。 (延安)
