コラム・エッセイ
ファンタジアファーム
翠流▼「幕末維新やまぐちデスティネーションキャンペーン」を知らせるB1サイズ五枚つづりのポスターがJRの各駅などに張り出された。キーワードは「夜明け」、キャッチコピーは「日本の夜明けを旅しよう」。下関市の角島大橋、山口市の瑠璃光寺五重塔、萩市の松下村塾、美祢市の秋吉台、岩国市の錦帯橋が使われている。
▼いずれも海外にも知られた観光地。周南、下松、光市と今回は宇部、山陽小野田、防府、柳井市もない。県東部はまだ磨かれていない観光資源、これから知られるであろう魅力はたくさんあるが、知名度、完成度では先行を許しているのが現状。どうしてこうなってしまったのか、理由ははっきりしている。観光で食べている人が少なく、売り出す必要がなかったからだ。
▼これからもそれでいいのか。都道府県も市町村も交流人口を増やすことに力点を置くようになった。周南地域も例外ではいられない。たくさんの人に来て、楽しんでもらい、稼ぎたい。下松市は笠戸島の国民宿舎大城を新築した。光市は白砂青松の海岸に加え、四季を通じて花が咲く冠山総合公園を整備した。
▼周南市は工場の夜景と徳山動物園だけで人が来るのだろうか。城下町徳山、大津島、山間部では2市2町の合併時に農業公園やモデル農場、宿泊施設などを備えたファンタジアファームの整備構想もあった。新市建設計画の中で唯一、実現できなかったリーディングプロジェクト。時には投資も必要ではないだろうか。
(延安)
