コラム・エッセイ
水素先進県
翠流▼米国のトランプ大統領就任のニュースの影になってしまったが、20日の通常国会で安倍首相が施政方針演説をした。その中で水素エネルギーにもふれていて、演説が急に身近になった。
▼演説では水素エネルギーは「エネルギー安全保障と温暖化対策の切り札です」と述べ、3月に世界初の大容量の燃料電池バスの運行が始まり、来年春には全国で100カ所の水素ステーションができ、神戸で世界初の水素発電による電力供給が始まると説明。液化水素船による大量水素輸送にも挑戦する。そのためにさまざまな規制を洗い出し、改革を進めると宣言した。
▼山口県は多量の水素が製造されている水素先進県。周南市は東ソー南陽事業所に岩谷産業の圧縮水素ガス、㈱トクヤマ徳山事業所には山口リキッドハイドロジェンの液化水素ガスの工場があって「水素先進都市」を名乗り、市内ではいくつかの実証試験も進められている。
▼そうはいっても、首相の演説に「世界初」が並ぶのでもわかるように、エネルギーとしての水素は開発途上。演説の中で2020年には「4万台規模で燃料電池自動車の普及を目指す」とあったが、日本国内の自動車は四輪車だけで7,700万台。4万台が実現しても割合としては少ない。
▼それに対する投資額は周南市鼓海の水素ステーションの場合で6億円、そのうち2億円が国の補助。日本全体の水素エネルギーへの投資は小さな額ではない。この投資が早く実を結ぶことを期待したい。
(延安)
